アタミロープウェイ

静岡県熱海市に位置するアタミロープウェイは、熱海湾の素晴らしい眺望を満喫できる人気の交通機関であり観光施設です。株式会社東京ドームの関連会社である株式会社アタミ・ロープウェイによって運営されており、昭和33年（1958年）5月16日にその運行を開始しました。このロープウェイは、山麓の後楽園駅と山頂の八幡山駅を結んでおり、年間を通じて多くの観光客に利用されています。

路線と技術的特徴

アタミロープウェイは、全長273メートルと比較的に短いながらも、山麓から山頂にかけて96メートルの高低差を効率よく結んでいます。運行方式としては、2台のゴンドラがワイヤーロープを介して互いに反対方向に走行する「交走式」を採用しています。これにより、一方のゴンドラが山を昇る間に、もう一方が山を下りるという効率的な運行が可能となっています。

ゴンドラの定員は、お客様30名とガイド1名を含む合計31名です。積載重量は1800キログラムまで対応可能です。運転速度は毎秒2.5メートルで、山麓駅から山頂駅までの所要時間は短時間であり、気軽に「空中散歩」を楽しむことができます。

運行情報と利用料金

アタミロープウェイは、基本的に9時30分から17時30分までの時間帯に運行されており、およそ10分間隔でゴンドラが発着しています。季節や天候によって運行時間が変更される場合があるため、事前に公式サイトなどで確認することをおすすめします。

運賃は以下の通りです。

大人（中学生以上）: 片道400円、往復700円
小人（小学生以下）: 片道300円、往復400円

特別な割引として、障害者手帳または被爆者健康手帳をお持ちの方は、ご本人と付き添いの方1名が往復運賃を半額で利用できます。

各駅へのアクセス

山麓駅（後楽園駅）

JR熱海駅から山麓の後楽園駅へ向かうには、いくつかの方法があります。

路線バスを利用する場合：伊豆東海バスまたは伊豆箱根バスの後楽園行きに乗車し、終点で下車してください。
無料シャトルバスを利用する場合：熱海ベイリゾート後楽園が運行する無料シャトルバスが、熱海駅から後楽園方面へ運行しています。熱海駅発の便は9時40分から16時20分まで、40分間隔で運行されています。

山頂駅（八幡山駅）

山頂駅周辺からも、熱海市街方面へのアクセスが可能です。

山頂近くの錦ヶ浦バス停から、東海バスの熱海駅行き路線バスに乗車すると、JR熱海駅へ移動できます。

駅周辺の観光スポット

山頂駅（八幡山駅）周辺

山頂駅の周辺は、熱海を代表する観光スポットが集まるエリアです。

あいじょう岬・うみそらテラス: 山頂駅に直結しており、アタミロープウェイ自身が運営しています。熱海湾や相模灘の壮大なパノラマビューを楽しめるテラスや、縁結びのパワースポットとしても知られる「あいじょう岬」があります。
熱海秘宝館: こちらも山頂駅に併設されており、アタミロープウェイの運営するユニークな観光施設です。刺激的な展示で知られ、大人のアミューズメントスポットとして根強い人気を誇ります。
熱海城: 山頂駅から上り坂を徒歩約1分の距離にあります。歴史的な価値のある城郭ではありませんが、天守からの眺望は素晴らしく、資料館やアトラクションも楽しめます。
熱海トリックアート迷宮館: 熱海城のすぐ近くに位置し、山頂駅から徒歩約1分です。平面の絵が立体的に見えるトリックアートの世界を体験できる施設です。

山麓駅（後楽園駅）周辺

山麓駅周辺も、宿泊やレジャーを楽しめるエリアです。

熱海後楽園ホテル: 山麓駅に隣接する大型リゾートホテルです。宿泊だけでなく、日帰り温泉なども利用できる場合があります。
* 熱海港: 山麓駅からほど近く、初島や伊豆大島への定期航路が発着する海の玄関口です。港には海釣り施設も整備されており、手軽に釣りを楽しむことも可能です。

アタミロープウェイは、単なる移動手段としてだけでなく、山頂からの絶景や、周辺に集まる個性豊かな観光施設へのアクセス拠点として、熱海観光において重要な役割を果たしています。短い乗車時間ながら、熱海の魅力を凝縮して体験できるため、多くの観光客に愛されています。

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