アダナ

アダナは、トルコ共和国の中南部、地中海から約50km内陸に位置する都市です。アダナ県の県都であり、同県の大都市自治体としても機能しています。人口は約173万人（2000年時点）を擁し、トルコ国内で5番目に大きな都市として知られています。市の東部12kmの地点には、NATOの空軍基地が存在しています。

歴史

アダナの歴史は古代に遡ります。紀元前63年、ローマ帝国の将軍ポンペイウスによって町が建設されたと伝えられ、その後、街道の要所として発展しました。ローマ帝国崩壊後は一時衰退しましたが、8世紀にはアッバース朝のカリフ、ハールーン・アッ＝ラシードによって再建されました。その後、オスマン帝国の支配下に入ります。

19世紀に入ると、アダナ周辺では遊牧的な生活を送る人々が多くいましたが、1865年以降、政府軍によって遊牧民が抑圧され、綿花栽培地へと転換が進められました。この過程で、アルメニア系住民が大農園を形成し、トルコ系の小作人やクルド系の季節労働者を酷使する状況も見られ、民族間の対立を助長する要因となりました。オスマン帝国末期には、1909年にアダナでアルメニア人虐殺事件が発生し、約3万人が犠牲になったとされています。

オスマン帝国解体後、一時的にフランスに占領されましたが、その後トルコ共和国の一部となりました。1986年に大都市自治体に指定され、当初はセイハンとユレイルの2つの区が設置されました。その後、2004年と2012年の行政区画の拡大を経て、現在ではアダナ県全域が大都市自治体の範囲となっています。

地理

アダナは、タウロス山脈の南麓、キリキア平原の中央に位置しています。地中海から約50km内陸に位置しており、肥沃な土地が広がっています。

気候

気候は、ケッペンの気候区分では地中海性気候（Csa）に分類されます。夏は暑く乾燥し、冬は温暖で雨が降ることが特徴です。

経済

アダナは、農業と工業が盛んな地域です。綿花、小麦、ブドウ、柑橘類、オリーブなどが栽培され、これらの集散地となっています。また、繊維工業や食品加工業も重要な産業となっています。

交通

空港：アダナ・シャキリパシャ空港
鉄道：アダナ駅
市内交通：アダナ地下鉄

教育

アダナには以下の大学があります。

Çukurova University
Adana Science and Technology University
Çağ University
Kanuni University

スポーツ

アダナには、アダナスポルとアダナ・デミルスポルの2つのサッカークラブがあります。

アダナ出身の著名人

ヤシャル・ケマル（作家）
ユルマズ・ギュネイ（映画監督）
ハサン・シャシュ（サッカー選手）
サクプ・サバンジュ（実業家）

姉妹都市

ベエルシェバ（イスラエル）
ジッダ（サウジアラビア）
ナブール市（チュニジア共和国ナブール県）

その他

アダナは、歴史的な出来事を経験しつつも、近代的な都市として発展を続けています。多様な文化が交錯するこの地は、観光資源としても注目されています。

[脚注]

[外部リンク]

Governorship of Adana
Municipality of Adana

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