アダム・モリソン

アダム・モリソン（Adam John Morrison, 1984年7月19日 - ）は、アメリカ合衆国モンタナ州出身の元プロバスケットボール選手です。現在は選手としてのキャリアを終え、ゴンザガ大学でビデオコーディネーターを務めています。身長203cm、体重93kgで、ポジションはスモールフォワード。愛称は「AMMO」「Mo」「The Stache」など。

生い立ちと高校時代

バスケットボールコーチの父親の影響で、幼少期からアメリカ各地を転々とする生活を送りました。ゴンザガ大学のあるワシントン州スポケーンに移った際には、チームのボールボーイを務めていました。8年生の時に1型糖尿病と診断されましたが、メッド高校に進学後、病気がキャリアの妨げになることはありませんでした。高校3年生時には、カンファレンスのシーズン通算得点記録を更新し、チームを州決勝トーナメントに導く活躍を見せました。決勝では、低血糖症に苦しみながらも37得点を記録しましたが、チームは惜しくも敗れました。

大学時代

ウェスト・コースト・カンファレンスに所属するゴンザガ大学に進学し、1年生時には平均11.4得点を記録し、カンファレンスの優秀新人チームに選出されました。2年生になると平均19得点に成績を伸ばし、カンファレンスのファーストチームに選ばれました。3年生時には、マウイ・インヴィテーショナルに出場し、準決勝でミシガン州立大学をトリプルオーバータイムの末に破りました。決勝ではコネチカット大学に敗れましたが、トーナメントのファーストチームに選出されました。

レギュラーシーズンでは平均28.8得点を記録し、NCAAのトップスコアラーとなりました。特に強豪チームとの試合で高得点を連発し、メディアの注目を集めました。NCAAトーナメントでは、スウィートシックスティーン（ベスト16）でUCLAと対戦。残り17秒で1点リードしていましたが、UCLAの選手にスティールされ逆転負けを喫し、コートで泣き崩れる姿が中継されました。この年、デューク大学のJ.J.レディックとともにオスカー・ロバートソン・トロフィーを受賞しました。その後、4年生に進学することなくNBA入りを決意しました。

NBAでのキャリア

2006年のNBAドラフトで、シャーロット・ボブキャッツから全体3位指名を受け、NBA入りしました。当時のチームGMだったマイケル・ジョーダンに「ラリー・バード2世」と称され、期待されましたが、チャールズ・バークレーは「ブランドン・ロイを指名すべきだ」と反対していました。ルーキーイヤーには、平均11.3得点、3リバウンドを記録しましたが、フィールドゴール成功率が33.7%、フリースロー成功率が71%と、シューターとしては精度に課題を残し、新人王獲得はなりませんでした。2年目のシーズンは膝の怪我で全休。ラリー・ブラウンがヘッドコーチに就任すると、信頼を得られず、2009年にロサンゼルス・レイカーズにトレードされました。

レイカーズでは出場機会がさらに減少し、2010年にはワシントン・ウィザーズと練習生契約をするも、開幕前に解雇されました。その後、ヨーロッパでプレーしながらNBA復帰を目指しましたが、2013-14シーズン前にポートランド・トレイルブレイザーズの入団テストに不合格となり、選手としてのキャリアを終えました。

代表歴

ジュニアチームでは4試合の出場経験がありますが、アメリカ代表としてプレーした経験はありません。2006年のバスケットボール世界選手権のトレーニングキャンプに招集されましたが、最終選考には残りませんでした。

プレースタイル

大学時代は「ラリー・バード2世」と称されるほどの優れたアウトサイドシューターでした。シュートセレクションに優れており、苦手な距離や角度がありませんでした。アウトサイドだけでなく、ポスト付近からのフックシュートも得意とするなど、高いシュートセンスを持っていました。一方で、身体能力の低さが指摘されることもありましたが、優れたシュートセンスがそれを補っていました。弱点としては、ボールハンドリングの悪さ、ディフェンス能力の低さが挙げられ、それがNBAでの活躍を阻害する要因となりました。

備考

1型糖尿病を患っているため、日々の食生活管理や血糖値測定が欠かせません。試合中にも血糖値測定を行うことがあり、血糖値が高い場合にはインスリン注射が必要です。「学生時代に活躍した選手が必ずしもNBAで成功するとは限らない」という例として、名前が挙げられることもあります。また、2020年に元レイカーズのチームメイトであったコービー・ブライアントが不慮の事故で亡くなった際には、彼への感謝を述べています。

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