アッシュル・ニラリ2世

アッシュル・ニラリ2世

アッシュル・ニラリ2世（Aššur-nērārī II）は、古代アッシリアの王であり、『アッシリア王名表』によれば第68代の王として記録されています。彼の名前は「アッシュル神は我が助け」という意味を持ちます。

在位期間

アッシュル・ニラリ2世の在位期間については、紀元前1424年頃から紀元前1418年頃、または紀元前1414年頃から紀元前1408年頃という推定があります。しかし、これらの年代は古アッシリア時代末期の不確かな編年に基づいているため、確定的なものではありません。

当時のアッシュルの状況

アッシュル・ニラリ2世の時代、アッシュルは小都市国家であり、強国ミタンニ（ミッタニ）の従属国でした。アッシュルはミタンニの王サウシュタタルによる略奪から、まだ完全に回復していませんでした。そのため、アッシュル・ニラリ2世の治世は、アッシュルの再建とミタンニからの自立を目指すものであったと考えられます。

来歴

アッシュル・ニラリ2世は、前王エンリル・ナツィル2世の息子です。『コルサバド王名表』によれば、彼の治世は7年間であったとされています。しかし、『SDAS王名表』や『アッシュル王名表』といった他の王名表では、該当箇所の記述が破損しているため、治世の正確な期間は不明です。

最高裁判官ベル・ナディン・アヘ

アッシュルで発見された法律文書には、「リンム、最高裁判官アッシュル・ニラリの息子、ベル・ナディン・アヘ」という日付が記されています。また、別の文書には、証人として「最高裁判官ベル・ナディン・アヘの息子たるイバシ・イルの息子、シャマシュ・キディンヌ」が登場します。このことから、ベル・ナディン・アヘがアッシュル・ニラリ2世の後継者であった可能性が指摘されていますが、確証はありません。

後継者

アッシュル・ニラリ2世の後、王位は彼の子であるアッシュル・ベル・ニシェシュによって継承されました。

アッシュル・ニラリ2世の治世は、アッシリアがまだ小国であり、周辺大国の影響下にあった時代でした。しかし、彼の時代にアッシュルの再建が進められ、後のアッシリア帝国の発展の基礎が築かれたと考えられています。

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