アップルタワーズ仙台

宮城県仙台市若林区五橋に位置する「アップルタワーズ仙台」は、アパグループが開発した複合施設です。このプロジェクトは、ホテル1棟、分譲マンション3棟、駐車場棟1棟の計5棟で構成され、かつては「全邸天然温泉付きホテル&レジデンス」として知られていました。ただし、2016年現在、マンションの共用部における温泉施設は廃止されています。

開発の背景

2000年代初頭、仙台市では、東北地方の陸上交通の再編や都市圏の交通利便性向上を背景に、経済が回復傾向にありました。2004年にはプロ野球再編問題で仙台が注目され、不動産証券化やJ-REITにより東京や海外からの資本が流入。この時期は「レッドバブル」と呼ばれ、仙台・宮城デスティネーションキャンペーンも加わり、好景気となりました。

アップルタワーズ仙台は、この「レッドバブル」の先駆けとして計画されました。当初は、より大規模な高層ビルが計画されていましたが、環境アセスメントの影響を考慮し、現在の規模となりました。また、建設中に構造計算書偽造問題が発覚し、風評被害を受けるという困難もありました。

施設概要

アパヴィラホテル<仙台駅五橋>

街区の北側に位置し、2008年2月に開業した20階建てのホテルです。客室数は610室で、1階にファミリーマート、2階にレストランを併設。地下800mから湧出する温泉を利用した大浴場が特徴です。

ブローディアタワー

街区の南西に位置する30階建ての免震高層マンションです。288戸の住戸があり、共用スペースとして和室やシアタールーム、ゲストルーム、屋上にはヘリポートが設けられています。

アベリアタワー

街区の南東に位置する18階建ての中層マンションです。98戸の住戸があり、共用スペースとしてパーティールームがあります。

レジディアタワー

街区の中央西側に位置する19階建ての賃貸マンションです。66戸の住戸があり、低層部分は機械式駐車場となっています。

ワンダーガレージ

街区中央東側に位置する自走式駐車場棟です。5階建て6層構造で、ブローディアタワーとアベリアタワーの入居者専用となっています。

沿革

1999年：仙台市環境影響評価条例が施行され、100mを超える建築物には環境アセスメントが義務付けられるようになりました。

2000年：日本たばこ産業（JT）仙台支店が移転・新築し、跡地を分割売却しました。

2001年：約6000m²の区画が三井不動産に売却され、パークシティ仙台五橋が建設されました。

2003年：残りの区画の入札は不調に終わり、仙台市への売却も断られました。同年、木下大サーカスが当区画で公演を行いました。

2004年：当区画の公募要領が発表され、JTが建設してJ-REITに売却するという提案も含まれていました。プロ野球再編問題が注目を集める中、ライブドアや楽天が新規参入を発表しました。

2004年10月：住友不動産、三井不動産、アパグループの3社が応募し、アパグループが30億3000万円で落札しました。アパグループは、楽天イーグルス新規参入による宿泊需要を見込んでいました。

2005年：構造計算書偽造問題が発生し、アパグループの物件も風評被害を受けました。

2006年：ボーリング調査により敷地地下800mで温泉を発見。「アパ仙台温泉」と命名されました。

2007年：アパホテルの一部物件で構造計算の不備が発覚しましたが、当プロジェクトには問題ありませんでした。

2008年：アパヴィラホテル<仙台駅五橋>が開業し、マンション3棟も竣工しました。

周辺施設

周辺には、大手ディベロッパーによる高層マンションが多数あります。

ミッドプレイス仙台
パークハウス仙台五橋タワー
パークシティ仙台五橋
シティタワー仙台五橋
JR仙台病院
仙台中央警察署

アクセス

仙台市地下鉄南北線五橋駅徒歩2分
JR東日本/仙台市地下鉄仙台駅徒歩8分

アップルタワーズ仙台は、仙台の都市開発と経済状況を象徴するプロジェクトであり、その歴史と施設は今日の仙台を理解する上で重要な要素です。

もう一度検索