アッル・アルジュン

アッル・アルジュン（Allu Arjun）は、1982年4月8日生まれのインドの俳優で、主にテルグ語映画界で活躍しています。映画プロデューサーのアッル・アラヴィンドを父に持ち、祖父は著名なコメディアン、アッル・ラーマリンガイヤという、映画一家の一員として育ちました。タミル・ナードゥ州チェンナイで生まれた彼は、後にハイデラバードでスネーハー・レッディと結婚し、一男一女の親となりました。俳優業の傍ら、2016年にはナイトクラブ事業にも参入しています。

キャリアの初期は、『Vijetha』での子役や『Daddy』でのダンサーとして映画に関わった後、2003年の『Gangotri』で本格的に俳優デビューを飾りました。彼のキャリアにおける大きな転機となったのは、2004年に主演したスクマール監督作『Arya』です。この作品での演技は絶賛され、フィルムフェア賞テルグ語映画部門主演男優賞にノミネートされただけでなく、ナンディ賞やCineMAA賞などを受賞し、興行的にも批評的にも成功を収めました。続く2005年の『Bunny』では、その独特のスタイルとダンスパフォーマンスが高く評価され、批評家の注目を集めました。その後、『Happy』(2006)を経て、2007年にはプリ・ジャガンナード監督の『Desamuduru』に出演し、複雑な過去を持つ女性と恋に落ちるジャーナリスト役を演じました。

2008年のバースカル監督作『Parugu』では、前半の活気ある描写から後半のエモーショナルな演技まで、その幅広い表現力を見せました。2009年の『Arya 2』では、前作に続きサイコパス的な一面を持つキャラクターを演じ、観客からの共感を呼び起こすと同時に、非常に刺激的なダンスと優れたエモーショナルな演技で再び高く評価されました。この時期には、「現代トリウッドで最高のダンサーの一人」と称されるほど、そのダンススキルが際立っていました。2010年には、実験的な試みとしてグナシェカール監督の『Varudu』やクリシュ監督の『Vedam』に出演し、様々な役柄への適応性を示しました。『Varudu』での演技は、必要に応じた抑制された表現と活発な演技の両立が評価されました。2011年の『Badrinath』では、役作りのためにベトナムで武術訓練を受けるなど熱心に取り組み、その流動的なアクションとダンスが注目されました。この作品は長期上映を記録するヒットとなりました。

2012年のトリヴィクラム・シュリニヴァス監督作『Julai』では、魅力的なアウトロー役を自信を持って演じ、特にダンスシーンでその才能を存分に発揮しました。2013年のプリ・ジャガナード監督作『Iddarammayilatho』では、バルセロナのストリートギタリストという全く新しい役柄に挑戦し、そのトレンディなルックスと完璧なアクション演技で再び名優としての地位を確固たるものにしました。

2014年以降も精力的に活動を続け、ヴァムシー・パイディパッリ監督の『ザ・フェイス』にカメオ出演し、短い出演時間ながら強い印象を残しました。同年のスレンダル・レッディ監督作『Race Gurram』では、持ち前のエネルギッシュな演技、絶妙なコメディタイミング、そして優れたダンススキルが高く評価され、3度目のフィルムフェア賞テルグ語映画部門主演男優賞を受賞しました。また、短編映画『I Am That Change』では主演とプロデューサーを兼任しました。2015年には『S/O Satyamurthy』や歴史劇『ルドラマデーヴィ 宿命の女王』に出演。『ルドラマデーヴィ 宿命の女王』では助演ながらその演技が認められ、フィルムフェア賞テルグ語映画部門助演男優賞を受賞。これにより、テルグ語映画において主演男優賞と助演男優賞の両方のフィルムフェア賞を受賞した唯一の俳優という稀有な記録を打ち立てました。その後も、『Sarrainodu』(2016)、『仕置人DJ』(2017)、アンガーマネジメント問題を抱える兵士を演じた『Naa Peru Surya, Naa Illu India』(2018)、そして大ヒットを記録した『ヴァイクンタプラムにて』(2020)など、話題作に立て続けに主演しています。

彼の人気は広く認められており、2016年にはGoogleで最も検索されたテルグ俳優となるなど、その影響力は絶大です。アッル・アルジュンは、卓越したダンスパフォーマンス、エネルギー溢れる演技、そして多様な役柄をこなす能力で、テルグ語映画界におけるトップスターとしての地位を不動のものとしています。

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