アトゥル (潜水艦)

アトゥル (USS Atule, SS/AGSS-403) の概要

アトゥルはアメリカ海軍のバラオ級潜水艦の一隻で、その名はアジ科に属するマテアジの学名に由来しています。1940年代の歴史において重要な役割を果たした艦船です。

艦歴の詳細

建造と就役

アトゥルは1943年12月にメイン州キタリーのポーツマス海軍造船所で起工し、1944年にエリザベス・ルィーズ・カウフマンの命名を受け進水しました。艦長ジョン・H・マウラー中佐の指揮の下、1944年6月に就役し、整調訓練を経て太平洋戦線へと向かいました。

第1の哨戒 (1944年10月 - 12月)

アトゥルは最初の哨戒を1944年10月に開始し、ピンタドやジャラオと共にウルフパック「クラーレイズ・クラッシャーズ」に参加しました。10月11日にはレーダーで敵艦を追跡し、10月25日にはウルフパックによって多摩を撃沈する戦果を挙げました。さらに11月には浅間丸を攻撃し、大爆発を引き起こすことに成功しました。

第2の哨戒 (1945年1月 - 3月)

1945年1月、アトゥルは再びジャラオやスペードフィッシュと共に哨戒を開始。商船を発見し、数度の攻撃を行いましたが、主な成果は日本海軍の輸送船を攻撃することでした。連続する猛吹雪の中で機雷処分任務にも従事し、哨戒を終えました。

第3の哨戒 (1945年4月 - 5月)

アトゥルは日本近海に向かい、救助作戦や機雷破壊任務を実施しました。B-29との共同作戦中、敵航空機との交戦もあり、アトゥルは残骸を回収する一幕もありました。この哨戒では59日間行動し、真珠湾へ帰投しました。

第4の哨戒 (1945年7月 - 8月)

7月には日本近海に向かい、敵艦を発見するや強力な攻撃を使用し、成功を収める一方、8月15日に日本の降伏を受けて真珠湾に戻りました。アトゥルは第二次世界大戦の戦功で4個の従軍星章を受章しました。

戦後の活動

アトゥルは戦後、アメリカ海軍で様々な任務に従事し、北極圏での気象観測支援やNATOの演習にも参加しました。1951年には再就役し、カリブ海や地中海での旋回訓練や演習に従事しました。

戦後しばらくは沿岸での訓練や任務が続きましたが、1969年には予備役に入り、その後1970年に退役しました。アトゥルは1974年にペルーに売却され、パコーチャ (BAP Pacocha, SS-48) として14年間活動しましたが、1988年に沈没する運命を迎えました。

まとめ

アトゥルはその艦歴を通じて多くの戦果を上げ、海軍における重要な役割を果たした歴史的な潜水艦でした。これまで553の重要な任務がアトゥルによって遂行され、また多数の艦船と共に戦し続けました。

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