アドマイヤキッス

アドマイヤキッスについて

アドマイヤキッス（Admire Kiss、2003年2月8日 - 2008年3月4日）は、日本の競走馬で、特に2006年において華々しい活躍を見せました。彼女の主な勝利には、ローズステークス、チューリップ賞、愛知杯、そして2008年の京都牝馬ステークスが含まれています。その美しい容姿と性格の穏やかさから、多くの競馬ファンに愛された存在でした。

戦績

2歳・3歳時代

アドマイヤキッスは2005年7月10日、阪神競馬場で行われた新馬戦でデビューしましたが、直線で不利があり、2着に終わりました。その後の未勝利戦でも2着が続いたものの、次のレースで5馬身差で見事に初勝利を挙げます。この成功を受けて、少し長めの休養に入ります。

2006年に入り、武豊騎手を初めて乗せて臨んだチューリップ賞では、半年ぶりの実戦でありながらも2番人気の支持を受け、見事勝利を手にしました。この勝利により、続く桜花賞では1番人気に推されましたが、残念ながらキストゥヘヴンに敗れ、2着に終わりました。オークスでも再び1番人気に選ばれましたが、カワカミプリンセスに届かず4着と、流れが良好ではないレースが続きます。

秋のGI路線では、ローズステークスでシェルズレイに後れを取る形となりましたが、最後に追い込んで勝利しました。この後、牝馬三冠を目指した秋華賞では再度1番人気に推されましたが、最後の直線で伸びきれず、4着に終わります。続くエリザベス女王杯でも6着に敗れますが、このレースはカワカミプリンセスの降着により、結局5着となったことも特筆すべき点です。年末に行われた愛知杯では、トップハンデを背負いながらも多くの期待を受けて優勝し、重賞を3つ獲得したことでその名を広めました。

古馬時代

古馬となった2007年のシーズンでは、7戦の結果がなかなか振るわず、最高着順は府中牝馬ステークスでの3着と、連覇を狙った愛知杯でも同じく3着の成績でした。さらに、アドマイヤオーラの問題もあったため、武豊騎手が鞍上から降ろされることとなりました。しかし、2008年の初戦、京都牝馬ステークスでは再び差し切り勝ちを収め、約1年2か月ぶりに重賞4勝目を達成しました。この勝利は、サンデーサイレンス産駒のJRA通算2700勝と安藤勝己騎手の800勝という記念のものでもありました。

その後、ヴィクトリアマイルに向けた調教が進められていたが、2月27日に右第3中手骨骨折が発覚。手術は成功したものの、静養中に疝痛を発症してしまい、経過の中で新たな開放骨折が見つかり、最終的には予後不良となり安楽死の措置が取られました。その一週間後、ファンのためのお別れ会が行われ、競馬ファンや関係者が彼女に別れを告げました。

エピソード

アドマイヤキッスは、その美しい容姿と穏やかな性格から、競走馬としてだけでなく、存在自体が多くの人に愛されました。武豊騎手は「彼女は美人中の美人で、性格も素直で、レースでも素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた」と賛辞を送り、牧場の松田博資調教師も「嫁にするならこういうタイプ。美しく、心優しく、稼いでもくれる」と彼女の魅力を語りました。

競走成績

アドマイヤキッスの競走成績はその華やかなキャリアを物語っています。様々なレースでの彼女の雄姿は、今も多くのファンの心に残っています。豊かな血統を持ち、その半弟には新潟大賞典を制覇したパッションダンスがいることも特筆すべき点です。

アドマイヤキッスの物語は、競馬界の名牝の一つとして、今後も語り継がれていくことでしょう。

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