アドレナリン (山崎まさよしの曲)

アドレナリン (山崎まさよし)

「アドレナリン」は、シンガーソングライターである山崎まさよしによって、1997年5月8日にリリースされた通算5枚目にあたるシングル作品です。このシングルは、ポリドール・レコードから発売されました。

この楽曲は、当時日本テレビ系列で放送され人気を博していたバラエティ番組『どっちの料理ショー』のエンディングテーマとして起用され、多くの視聴者に聴かれることとなりました。

楽曲そのものの最大の特徴であり、リスナーに強い印象を与える要素として、間奏部分に医薬品として広く知られる正露丸のパッケージに記載されている「使用上の注意」の文言を読み上げるという、非常にユニークで実験的な演出が取り入れられている点が挙げられます。これは当時のJ-POPとしては極めて珍しい試みであり、楽曲に独特の世界観を与えています。

また、本楽曲は同年秋に発表された山崎まさよしにとって2枚目となるオリジナルアルバム『HOME』に先駆けてリリースされた先行シングルとしての役割も担っていました。アルバム『HOME』は彼のキャリアにおいて重要な位置を占める作品であり、その先行シングルである「アドレナリン」もまた、アルバムの世界観へと繋がる楽曲と言えるでしょう。

制作に関する興味深いエピソードとしては、当初このシングルのA面候補として、カップリング曲に収録された「レイン・ソング」が検討されていた時期があったとされています。

一般的に、「アドレナリン」は他の代表曲と比較すると、ライブパフォーマンスにおいて披露される機会が比較的少ない楽曲としても知られています。しかし、全く演奏されないわけではありません。例えば、2007年に開催された「YAMAZAKI MASAYOSHI COVER HALL TOUR 2007」においては、本編の最後に演奏されるという特別な扱いを受けました。中でも、ツアーの最終公演であり、偶然にも山崎まさよし自身の誕生日でもあった2007年12月23日に渋谷公会堂で行われたライブでのテイクは、後に23枚目のシングル『真夜中のBoon Boon』のカップリングとして、ライブ音源の形で公式に収録・発表されています。

このシングルには、表題曲「アドレナリン」の他、カップリング曲として「レイン・ソング」、そして「アドレナリン」のオリジナルカラオケバージョンが収録されています。各楽曲の演奏時間は、「アドレナリン」が3分47秒、「レイン・ソング」が5分04秒となっています。

楽曲の制作クレジットを見ると、作詞および作曲は山崎まさよし自身が手がけています。編曲については、山崎まさよしと、音楽評論家としても著名な萩原健太氏が共同で担当しています。

「アドレナリン」は、オリジナルのシングル盤の他、以下の作品にも収録されています。

オリジナルアルバム『HOME』
ベストアルバム『BLUE PERIOD』
* シングル『真夜中のBoon Boon』（2007年渋谷公会堂公演ライブテイク）

また、カップリング曲の「レイン・ソング」は、ライブアルバム『OUT OF THE BLUE』にも収録されています。

関連するキーワードとしては、タイアップとなったテレビ番組『どっちの料理ショー』、間奏の歌詞に関連する『正露丸』、山崎まさよしが所属する音楽事務所である『オフィスオーガスタ』などが挙げられます。また、編曲で共同作業を行った『萩原健太』氏も関連人物として特筆されます。

このように、「アドレナリン」は、タイアップによる認知度、間奏の独創性、そして特別なライブパフォーマンスなど、山崎まさよしの楽曲の中でも異彩を放つ一曲と言えるでしょう。

もう一度検索