アナール・ナスラック

アナール・ナスラック（Anaal Nathrakh）

アナール・ナスラックは、1998年にイギリスのバーミンガムで設立されたエクストリーム・メタルバンドで、その音楽スタイルはブラックメタルとグラインドコアを融合したユニークなものです。バンド名は、ジョン・ブアマン監督の映画『エクスカリバー』に登場するマーリンの召喚の呪文に由来しており、言語学者のマイケル・エバーソンによって「蛇の吐息」という意味と解釈されています。

概要と略歴

アナール・ナスラックは、メイヘムの影響を受けた典型的なブラックメタルのサウンドで始まり、1999年には2つのデモをリリースします。これらのデモはアンダーグラウンドシーンで注目されることとなり、その結果、Mordgrimmと契約を結ぶことになります。

2001年にはデビューアルバム『Codex Necro』をリリース。このアルバムは高く評価され、特にイギリスの音楽メディアへの反響は大きく、KERRANG!誌では4/5点、TERRORIZER誌では9.5/10点を獲得。さらに、同誌の2001年の読者人気投票では新人部門で第1位、ライターによるベストアルバム選出で第8位に選ばれました。

続く2004年には、フランスのレーベルシーズン・オブ・ミストから2ndアルバム『Domine Non Es Dignus』を発表。この作品ではブラックメタルとグラインドコアの要素がさらに融合され、音楽性が進化しました。2006年には3rdアルバム『Eschaton』を発表し、日本市場へのお披露目も果たします。

その後も精力的に活動を続け、2007年に4thアルバム『Hell Is Empty, and All Devils Are Here』をリリースし、2009年にはキャンドルライト・レコードと契約して5thアルバム『In the Constellation of the Black Widow』を発表。その後のアルバムも評価され、2011年から2014年までに『Passion』『Vanitas』『Desideratum』と立て続けにリリースされました。

2016年には日本での初公演を実施し、大阪、静岡、東京の3都市を巡ります。同ツアーでは10月に予定されていた9thアルバム『The Whole of the Law』からの先行曲も演奏されました。2017年にも再度日本を訪れ、東京にて特別ライブを行いました。さらに2018年には10thアルバム『A New Kind of Horror』をリリースし、2019年にも仙台、東京、名古屋、大阪でライブを実施しました。2020年には11thアルバム『Endarkenment』をリリースし、日本盤も出ています。

メンバー

現在のメンバーは、ボーカルのヴィトリオールとイルメイター（ベース、ギター、プログラミング）から成ります。ヴィトリオールのステージネームは、錬金術の標語の頭文字を取ったもので、「大地の内を訪れよ、精留すれば隠された石が見つかるであろう」という意味を持っています。
元メンバーにはベースのLeiciaが1998年から2000年まで在籍していました。

ディスコグラフィー

アナール・ナスラックのスタジオアルバムは以下のとおりです：

• - 2001年: The Codex Necro
• - 2004年: Domine Non Es Dignus
• - 2006年: Eschaton
• - 2007年: Hell Is Empty, and All the Devils Are Here
• - 2009年: In the Constellation of the Black Widow
• - 2011年: Passion
• - 2012年: Vanitas
• - 2014年: Desideratum
• - 2016年: The Whole Of The Law
• - 2018年: A New Kind of Horror
• - 2020年: Endarkenment

音楽スタイル

アナール・ナスラックの音楽は、シンフォニック・ブラック・メタル、ブラック・メタル、デス・メタル、グラインド・コア、インダストリアルの要素を融合させた作風として評価されています。一般的には、彼らのスタイルはエクストリームメタル、インダストリアルデス・ブラックメタルに分類されることが多いです。アナール・ナスラックは常に音楽的な境界を探求し続け、その革新性で多くのファンを魅了しているバンドとなっています。

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