アニメフレンド

株式会社アニメフレンド：タツノコプロを支えたアニメ制作会社

株式会社アニメフレンドは、1977年3月から1990年9月まで存在した、日本のアニメ制作会社です。タツノコプロダクション（タツノコプロ）の子会社として、同社のアニメーション制作を支える重要な役割を担っていました。

アニメフレンドの業務と組織

アニメフレンドは、タツノコプロ制作のアニメーション作品において、企画・運営をタツノコプロが行う一方で、制作管理から現場作業までを独立して請け負っていました。具体的には、原画以降の工程を韓国のアニメーションスタジオへ委託し、その管理や仕上げなどを担当していました。『タイムボカンシリーズ』や『超時空要塞マクロス』といった人気作品にも携わっており、その制作に大きく貢献しました。

アニメフレンドの代表取締役は九里一平でしたが、実質的な運営はタツノコプロから出向した社員、永井昌嗣氏が主導していました。永井氏はタツノコプロで長年製作プロデューサーを務め、韓国への外注ルートを開拓した人物です。アニメフレンド設立も永井氏の発案によるものと言われています。永井氏が1979年にタツノコプロから独立して龍プロダクションを設立した後も、加藤長輝氏、岩田弘氏、新井正彦氏、吉田昇一氏、米田和正氏など、多くのタツノコプロ社員がアニメフレンドに出向し、製作プロデューサーとして活躍しました。

アニメフレンドには、制作管理スタッフに加え、演出、作画、仕上げスタッフも在籍していました。これらのスタッフは、韓国から送られてきた素材の修正や仕上げ作業などに従事していました。また、アニメフレンドは独自に正社員や契約社員を採用していましたが、演出や作画監督は、タツノコプロの社員が期間限定で出向する形でローテーションが組まれていました。出向した社員の中には、韓国へ赴任し、現地での作業チェックを行う者もいました。赴任期間は、半年から2年程度に及ぶこともありました。

アニメフレンドはタツノコプロの作品だけでなく、他社の作品の下請けも請け負っていました。『機動戦士ガンダム』（サンライズ制作）などの作画も担当したという記録が残っています。韓国への発注と、国内での仕上げという独自のビジネスモデルで、会社を維持していました。

制作作品

アニメフレンドが携わった作品には、以下のようなものがあります。

タイムボカンシリーズ
ヤッターマン (1977年 - 1979年)
ゼンダマン (1979年 - 1980年)
タイムパトロール隊オタスケマン (1980年 - 1981年)
ヤットデタマン (1981年 - 1982年)
逆転イッパツマン (1982年 - 1983年)
イタダキマン (1983年)
風船少女テンプルちゃん (1977年 - 1978年)
とびだせ!マシーン飛竜 (1977年 - 1978年)
超時空要塞マクロス (1982年 - 1983年)
機甲創世記モスピーダ (1983年)
おらぁグズラだど (1987年 - 1988年)
昆虫物語 みなしごハッチ (1989年 - 1990年)
キャッ党忍伝てやんでえ (1990年)

まとめ

株式会社アニメフレンドは、タツノコプロの子会社として、海外委託を積極的に活用した独自のアニメーション制作体制を確立し、数々のアニメーション作品制作に貢献しました。その歴史は、日本のアニメーション産業における海外協力体制の一端を垣間見ることができる貴重な事例となっています。

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