アビエイ地区

アビエイ地区とアビエイ郡の概要

アビエイ地区（Ab Yei District）は、スーダンの西コルドファン州に位置する地区の一つです。地域は複雑な行政区分と帰属問題を抱えており、特に南スーダンと関係が深いです。この地区は、2005年に西コルドファン州が解体された際、南コルドファン州に編入されましたが、2013年に西コルドファン州が再設立され、再びその一部となりました。アビエイ地区の人口は2008年のスーダン国勢調査によると約197,681人です。

アビエイ地域の地理と統治

アビエイ地区内のアビエイ地域は特に注目されるべきです。この地域は、南スーダンに帰属するかどうかを問う住民投票が行われる予定だったためです。住民投票の実施のための条件が整わないまま、地域の帰属問題は未解決のまま残っています。アビエイ地域は、主に南部に位置し、包括和平協定（CPA）の枠組みの中でその帰属が議論されてきました。

下部自治体の構成

アビエイ地区は、以下の4つの基礎自治体から構成されています。
1. Almujlad町及び郊外（Almujlad Town & Rural） - 人口71,032人
2. Almairam - 人口51,404人
3. Aldibab - 人口62,507人
4. アビエイ町（Abyei） - 人口12,738人

これらの地区は、その地理的特性や歴史的背景に基づき、農業や交易などの地域経済に寄与してきました。

アビエイ郡の役割と現状

アビエイ郡（Abyei County）は、南スーダンのバハル・アル・ガザール地方に位置し、元々はワラブ州に属していました。しかし、アビエイ郡は実質的には北部スーダンが管理しているため、実態は乏しいと言えます。2015年にワラブ州が再編されても、アビエイ郡の帰属は未決定のままです。この郡の人口は2008年時点で約52,883人とされ、面積は10,547.28平方キロメートルです。

帰属問題の背景

アビエイ地域の帰属問題は、第二次スーダン内戦の終結を求める包括和平協定（CPA）の中で取り決められました。この協定では、アビエイ地域の境界を定義するために、1905年に存在したディンカ族のンゴック氏族の9つの首長国の領域が基準として採用されました。住民投票による帰属決定が行われることになったものの、どの住民が投票資格を持つのかという定義に関しては南北間で意見が分かれたため、住民投票は未実施のままです。

結論

アビエイ地区とアビエイ郡は、複雑な歴史的背景と現在も解決されていない帰属問題を抱えています。この地域の情勢は、スーダンと南スーダン双方の政治的状況に影響を受けるため、今後の動向が注目されます。アビエイの問題は、単なる行政区分に留まらず、地域住民の生活、文化、アイデンティティに深く結びついているのです。

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