アフガニスタン解放機構

アフガニスタン解放機構（ALO）は、アフガニスタンの共産主義政党の一つであり、1973年にファイズ・アフマドを指導者として、青年進歩者協会（後のアフガニスタン共産党）内の「永遠の炎運動」から分裂する形で誕生しました。当初はアフガニスタン人民革命グループ（RGPA）と名乗っていましたが、1980年に現在の名称に改称しました。

この党派は、中ソ対立の影響下で毛沢東思想を支持しており、親ソ連のアフガニスタン人民民主党政権とは対立関係にありました。人民民主党政権下では弾圧を受け、1979年にはムジャーヒディーンやイスラム主義グループと共闘し、アフガン紛争（1978年-1989年）に参戦することとなります。同年8月5日には、カブールで「バラヒサールの蜂起」と呼ばれる武装蜂起を起こしましたが、政府軍によって鎮圧され、多数の党員が逮捕または死亡しました。この蜂起では、モハマド・モーシンやモハマド・ダウドら中央委員会メンバーも逮捕されました。

その後も、ALOは人民民主党政府の弾圧に加え、ムジャーヒディーン内部でのイスラム過激派による内ゲバ襲撃に苦しめられ、120名以上の党員が命を落としました。1986年11月12日には、ファイズ・アフマド自身もグルブッディーン・ヘクマティヤールの率いるイスラム党の戦闘員によって暗殺されるという悲劇に見舞われました。

ALOは、アフガニスタンの政治史において、ソ連の影響下にあった共産主義政権とは異なる毛沢東主義を掲げ、独自の道を歩んだ特異な存在と言えるでしょう。その活動は、アフガン紛争という激動の時代の中で、多くの犠牲を出しながらも、自らの理念を貫こうとした一党の歴史として記憶されています。

参考資料

* アフガニスタン解放機構公式サイト

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