アブデュルハリク・レンダ

ムスタファ・アブデュルハリク・レンダ：トルコの官僚、政治家

ムスタファ・アブデュルハリク・レンダ（1881年11月29日–1957年11月1日）は、トルコの官僚、政治家であり、トルコ大国民議会議長、財務相、国防相などを歴任しました。オスマン帝国末期からトルコ共和国初期にかけての激動の時代に、重要な役割を果たしました。

生い立ちと初期のキャリア

レンダは、オスマン帝国統治下のギリシア北部ヤニナで、地元の有力者の家庭に生まれました。ヤニナとイスタンブールの高校を卒業後、イスタンブール行政高等学院で学び、1903年7月に卒業しました。卒業後、農業銀行に入行し、同年10月にはロドス島の高校に数学、物理学、農業、保健、フランス語の教師として赴任しました。教育者としてのキャリアをスタートさせた後、1904年8月にはジェザイーリ・バフリ・セフィード県（エーゲ海・キプロス島などの島嶼部）の官吏となりました。1906年にテペレナ郡、1908年にポゴン、1909年にデルヴィナ郡庁に勤務し、また二度ベラト郡長を務めるなど、地方行政官としての経験を積みました。カヴァラでの勤務を経て、1911年にはチャムルク郡庁に任命され、1913年5月にはスィイルト県長に転じ、1914年12月にはビトリス県知事に就任しました。1915年10月にはアレッポ県知事に転じ、着実にキャリアを重ねていきました。

内務省次官から県知事へ

1917年4月、レンダは内務省次官に転じ、中央政府での要職を務めることになります。第一次世界大戦終戦後の1918年11月にはブルサ県知事に任命されましたが、着任する前にダマト・フェリド・パシャ内閣により更迭され逮捕されるという不遇を経験します。6ヶ月後、イスタンブールに進駐したイギリス軍によってマルタ島の刑務所へ送られるという苦難も味わいました。マルタから帰還後の1922年1月、経済省次官に任命され、同月内務省次官に転じ、さらに4月にはコンヤ県知事に任命されるなど、目まぐるしいほどの異動を経験しました。

独立戦争と共和国の建設

同年、独立戦争でイズミルが解放されると、9月にイズミル県知事に任命され、重要な役割を果たしました。1923年7月にはチャンクル選挙区から出馬してトルコ大国民議会議員に当選し、政界に進出しました。1924年1月、第一次イノニュ内閣に財務相として入閣し、その手腕を発揮します。第二次イノニュ内閣でも財務相に留任し、第三次イノニュ内閣から第五次イノニュ内閣では国防相に転じました。そして、1935年3月から1946年8月までトルコ大国民議会議長を務め、長きにわたり議会を率いました。

ムスタファ・アブデュルハリク・レンダは、1957年11月1日にイスタンブールのカドゥキョイ区エレンキョイで死去しました。彼の生涯は、オスマン帝国末期からトルコ共和国初期にかけての激動の時代を反映しており、官僚、政治家としてトルコの発展に大きく貢献しました。

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