アブドゥッラヒム・ワルダク

アブドゥッラヒーム・ワルダク（Abdurrahim Wardak）は、1946年にアフガニスタンで生まれました。パシュトゥーン人であり、アフガニスタンの政治と軍事に大きな影響を与えた人物です。彼は、軍人としてのキャリアをスタートさせ、後に政治の世界へと足を踏み入れました。

軍人としての経歴

ワルダクは、1962年にカーブル士官学校を卒業後、アメリカとエジプトの軍事学校でさらなる教育を受けました。1976年からはアフガン陸軍で様々な役職を歴任し、軍人としての経験を積みました。しかし、1980年代中盤には、ムジャーヒディーン側に寝返り、サイード・アフマド・ギラニのアフガニスタン民族イスラム戦線に参加しました。1988年3月には、ジャラーラーバードにおけるムジャーヒディーンの統合本部を指揮するなど、反政府勢力としての活動も行いました。

政治家としての経歴

1990年代中盤、ワルダクはヨーロッパに移住し、ザーヒル・シャー元国王の側近となりました。2001年末にはパキスタンに移住し、ザーヒル・シャーから新国軍の国防相兼総司令官に任命されました。彼は、王政復興のための交渉にも尽力しました。2002年12月には、新国軍の新兵募集委員会議長に就任し、軍の再建に貢献しました。2003年9月20日には国防第一次官に、2004年12月23日には国防相に就任しました。2010年1月2日には国防相に再任され、アフガニスタンの国防を担う重要な役割を果たしました。

国防相辞任

2012年8月7日、ワルダクは下院での解任決議を受け、国防相を辞任しました。彼の辞任は、アフガニスタンの政治情勢における重要な出来事の一つであり、その後の政治に大きな影響を与えました。

ワルダクは、軍人から政治家へと転身し、アフガニスタンの激動の時代を生き抜いた人物です。彼の生涯は、アフガニスタンの近現代史を語る上で欠かせないものと言えるでしょう。国防相を複数回務めるなど、その影響力は大きく、アフガニスタンの政治において重要な役割を果たしました。

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