アベコベ時代

アベコベ時代：チーズ惑星でのロボット大戦争

『アベコベ時代』（原題：Advance and Be Mechanized）は、1967年に制作されたトムとジェリーの短編アニメーション作品です。監督はチャック・ジョーンズ。未来の世界、チーズでできた惑星が舞台という、独特の設定が魅力の作品となっています。

チーズ惑星での攻防

物語は、チーズでできた惑星にあるチーズ鉱山から始まります。トムは、鉱山で働く採掘用ロボットの管理業務と、チーズ泥棒を取り締まる警備員の二足のわらじを履いています。一方、ジェリーは、この惑星に忍び込み、ネズミ型ロボットを使ってチーズを盗み出そうと企んでいました。

トムは監視カメラでジェリーの悪事を発見し、ネコ型ロボットを投入します。ネコ型ロボットは、ジェリーの巣穴に逃げ込んだネズミ型ロボットを捕まえ、チーズを回収。一見、トムの勝利に見えますが、物語はここで大きく展開します。

オイルとマスタードの災難

食事の時間になったトムは、他の採掘用ロボットたちと共に自動販売機にオイルを補充しようとしますが、出てきたのはオイルではなく、辛くて熱いマスタードでした。その直後、巣穴から出てきたジェリーを見つけ、追いかけるトム。ジェリーは偶然にも、マスタードを挟んだサンドイッチを作る自動販売機の中に逃げ込みます。

ジェリーはマスタードをかけられ、髪の毛が抜けるという災難に見舞われます。しかし、このマスタードが物語の鍵となります。ジェリーは、マスタードの容器をサンドイッチに挟み込み、それを食べたトムは、想像を絶する辛さに悶絶することになります。

ロボットの反乱

管理業務に戻ったトムは、再びネズミ型ロボットを発見し、ネコ型ロボットを繰り出します。ネコ型ロボットとネズミ型ロボットの追いかけっこは、壁への激突という結末を迎えます。このシーンは、過去の作品「未来戦争」からの流用であると言われています。

しかし、最大の驚きはこれからでした。管理室に戻ったトムは、ネコ型ロボットが自分の席に座っているのを見つけます。なんと、ひどい目に遭ったネコ型ロボットが反乱を起こし、トムを操縦し始めたのです。ジェリーも、反乱を起こしたネズミ型ロボットに操られ、トムとジェリーはロボットたちに操られるまま、互いに戦うという滑稽な状況に陥ってしまいます。

登場キャラクター

トム: ネズミ型ロボットによるチーズ窃盗を取り締まるため、ネコ型ロボットを駆使しますが、最後はロボットに操られる羽目になります。
ジェリー: トムの攻撃をかわし、ネズミ型ロボットを使ってチーズを盗みますが、最後はロボットに操られてしまいます。
ネコ型ロボット: トムの命令でネズミ型ロボットを捕まえ、チーズを回収します。しかし、壁に激突したことで反乱を起こし、トムを操縦します。
ネズミ型ロボット: ジェリーの指示でチーズを盗み出そうとしますが、ネコ型ロボットに捕まります。最後はジェリーを操縦します。
* 採掘用ロボット: チーズ鉱山で働くロボットで、オイルを燃料としています。

日本での放映

日本では、1980年頃、日本テレビ系「木曜スペシャル・おかしなおかしな トムとジェリー 大行進」で放映され、その後も再放送されました。DVDにも収録されています。

まとめ

『アベコベ時代』は、チャック・ジョーンズ監督独特のユーモアと、未来的な設定、そしてロボットという斬新な要素が融合した傑作です。トムとジェリーらしいドタバタ劇に加え、ロボットの反乱という予想外の展開は、視聴者を最後まで飽きさせません。一度ご覧になることをお勧めします。

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