アマゾン (フリゲート)

HMS Amazon (F169)

HMS Amazonは、イギリス海軍で服務した21型フリゲートの一艦であり、特にフォークランド紛争に参加しなかった貴重な存在です。1977年に起こった火災は、この艦の設計における脆弱性を露呈しました。特に、軽量化を目的として採用された全アルミ合金製の上部構造物が、火災に対して弱いことが判明しました。

艦の歴史を辿ると、Amazonはフォークランド紛争の際には極東艦隊に配備されていたことから、戦闘には関与していませんでした。その後、艦は改装を受けていないものの、フォークランドの戦訓を反映させる形で、エグゾセ艦対艦ミサイルを追加されました。これにより、艦の戦闘能力は向上しました。

イギリス海軍からの退役後、HMS Amazonはパキスタン海軍に譲渡され、1993年9月に駆逐艦「バーブル」(D-182)として再就役しました。艦名は、ムガル帝国の創始者であるバーブルに由来します。ただし、最初に引き渡されたアンバスケイドは「タリク」として再就役したため、現在の艦名はネームシップではありません。

パキスタン海軍に再着任した際、Amazonは改装を受け、兵装がイギリス海軍在籍時とは大きく異なりました。具体的には、艦対艦ミサイルがハープーンに変更され、ファランクスCIWSが新たに装備されました。これにより、艦の防衛能力は一段と向上しました。また、他の21型フリゲート5隻と共に、彼女はパキスタン海軍の第25駆逐艦戦隊に所属しました。

しかし、その後も問題は発生しました。2011年8月3日には、ソマリア沖で商船を救助している最中に、インド海軍のフリゲート「ゴダヴァリ」と衝突する事件があり、この事は両国間の外交問題に発展しました。この事故を契機に、海軍戦闘艦による運用における安全基準が再評価されることとなります。

HMS Amazonは、その任務を終了し、2014年に退役しました。その歴史は、戦闘艦としての役割だけでなく、国際関係の一部としての重要性をも示しています。特にフォークランド紛争に不参加だったことや、再就役後の進化は、艦の存在意義を浮き彫りにしています。

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