アマチュアテレビジョン

アマチュアテレビジョン（ATV）

アマチュアテレビジョン（ATV）とは、アマチュア無線の周波数帯を使用して映像を伝送する技術のことです。アマチュア無線愛好家の間で、技術的な探求や実験的な興味から行われています。

概要

以前は高価だった機材も、近年では価格が下がり、以前より手軽にATVを楽しめるようになりました。無線で動画を伝送するには広帯域が必要となるため、144MHz帯以上の超短波（VHF）以上の周波数帯が使用されます。広帯域を使用するため、他局との混信を避けるために、極超短波（UHF）以上の帯域での運用が推奨されます。使用する周波数が高いことから、通信距離は見通せる範囲に限られます。

近年ではドローンレースでのFPV（一人称視点）利用が増加しています。

必要な機材

ATVには、ビデオレコーダー、ビデオカメラ、送信機といった、小規模なテレビ局に匹敵する機材が必要です。受信のみであれば免許は不要ですが、送信にはアマチュア無線技士の無線従事者免許証と無線局免許状が必要です。一般の放送とは異なる規格を使用するため、市販品が少なく高価でしたが、近年ではソフトウェア無線により比較的安価に実現できる例もあります。

方式

アナログ式

ATV黎明期から存在する方式で、市販のテレビ受像機を流用できるため比較的安価に導入できます。しかし、約20MHzと広い帯域を占有するため、運用可能な周波数帯は430MHz以上の極超短波（UHF）が主となります。アナログ衛星放送のチューナーを流用する例も見られますが、アナログ放送の停波に伴い、復号用ICの入手が困難になりつつあり、FPGAやソフトウェアで機能を代替する試みも行われています。

※日本では現在430MHz帯のATV免許は下りません。

デジタル式

アナログ式と比較して、伝送に必要な帯域が2MHz程度と狭く、画質に優れています。初期のデジタルATVではGMSK変調が用いられていましたが、近年では衛星放送で使用されるQPSK変調が用いられることもあります。この場合、復号には市販の衛星放送チューナーが流用されることがあります。

狭帯域アマチュア無線テレビ (SATV)

AM-ATVの一種で、占有する帯域幅が1MHz未満と非常に狭くなります。画質はAM変調よりも劣ります。専用の送受信機が必要であり、現在運用している局は多くありません。

Narrow Bandwidth Television (NBTV)

毎秒12.5コマで、占有する帯域幅がわずか2.1kHzと非常に狭く、SSBでの運用が可能なため短波帯での運用も可能です。

低速度走査テレビジョン（SSTV）

短波帯などで静止画像を伝送するために開発された方式です。8秒で走査線数120本の白黒画像を伝送します。カラー画像も存在します。

関連項目

アマチュア無線

外部リンク

アマチュアテレビ
「ＡＴＶ通信・アマチュアＴＶ」入門
「5GHz帯 ハイビジョンD-ATV 」が許可になりました
日本初 FHD ATV実験受信映像 - YouTube
FHD-ATV 上越海岸沿いの伝搬テスト - YouTube

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