アマナキ・レレィ・マフィ

アマナキ・レレイ・マフィは、1990年1月11日生まれ、トンガ出身のラグビー選手です。ジャパンラグビーリーグワンの横浜キヤノンイーグルスに所属し、ナンバーエイト（No.8）として活躍しています。189cm、112kgという恵まれた体格を持ち、その圧倒的なフィジカルと突破力でチームに貢献しています。

生い立ちとキャリア



トンガのハムラ村で16人兄弟の15番目として生まれたマフィは、幼少期からラグビーに親しみました。高校時代まではウィング（WTB）としてプレーしていましたが、高校3年生からNo.8に転向しました。U18、U19、U20トンガ代表に選出された経験を持ち、2009年にはU20世界ラグビー選手権にも出場しています。その後、日本での居住・プレー歴が3年以上となった2014年から、トンガ国籍を保持したまま日本代表に選ばれました。2019年10月時点で、日本代表として27のキャップを獲得しています。

ニックネームは「NAKI（ナキ）」で、これはトンガ人の名前の一部をニックネームとする習慣に由来します。口癖は「練習も試合も100%」で、チームメイトからは「フィジカルモンスター」とも呼ばれています。また、マット・マフィは彼の甥にあたります。

日本での活躍



2010年、マフィは花園大学に進学し、関西学生ラグビーBリーグでプレーしました。同級生には、幼なじみであり日本代表でもチームメイトとなるアマナキ・ロトアヘアがいました。大学時代は経済的に苦しい時期もありましたが、2014年にNTTコミュニケーションズシャイニングアークスに加入し、トップリーグデビューを果たしました。

その後、日本代表としても活躍し、2014年11月にはルーマニア戦で初キャップを獲得しました。しかし、その直後に左股関節を脱臼骨折する重傷を負い、全治1年6ヶ月と診断されました。リハビリを経て、2015年のラグビーワールドカップに出場、南アフリカ戦での逆転勝利に貢献しました。さらに、スコットランド戦とアメリカ戦ではトライも記録しています。

2015年末には、イングランドのバース・ラグビーへ期限付き移籍し、プレミアシップでもプレーしました。その後NTTコムに復帰し、2017年からはスーパーラグビーのレベルズにも参戦しました。レベルズでは主力選手として活躍しましたが、2018年にはチームメイトへの暴行容疑で一時拘束されるというアクシデントもありました。その後、NTTコムに復帰し、2019年にはサンウルブズにも加入しています。

2019年のラグビーワールドカップでは、日本代表に選出されましたが、怪我の影響もあり、出場機会は限られました。準々決勝の南アフリカ戦にも出場しましたが、チームは敗退しました。2021年からは、横浜キヤノンイーグルスに移籍し、現在もトップリーグで活躍しています。

人物像とエピソード



マフィの能力は、ラグビー界内外からも高く評価されています。元日本代表ヘッドコーチのエディー・ジョーンズは、彼のことを「Xファクター」や「ギフト」と呼び、その圧倒的な突進力を「原子力発電所」と表現しました。また、日本代表キャプテンのリーチ・マイケルも「特別な存在」と認め、そのパワーを称賛しています。所属チームのFWコーチも、彼の強さだけでなく、相手の弱点を突くプレーもできると評価しています。

股関節の怪我で一時はワールドカップ出場を諦めかけましたが、家族や仲間の支え、そしてエディー・ジョーンズHCからの激励を受け、リハビリに励み、見事に復帰を果たしました。2015年のワールドカップでの活躍は、この強い精神力と努力の賜物と言えるでしょう。また、チームメイトのトンプソンルークは、マフィの驚異的なパワーを示すエピソードを語っています。

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