アマルフィ公国

アマルフィ公国（Ducato di Amalfi）は、9世紀から12世紀にかけて南イタリアのアマルフィを中心に存在した海洋都市国家であり、アマルフィ共和国（Repubblica di Amalfi）とも呼ばれます。

概要

ピサ、ジェノヴァ、ヴェネツィアといった北部の都市国家が台頭する以前は、イタリアにおける商業の中心地として地中海貿易を主導していました。地中海貿易の先駆的な存在であり、初めて海商法を整備した国家としても知られています。アマルフィで制定された海商法は、公国が衰退した後も1570年頃まで利用され続け、その影響力の大きさを物語っています。

歴史

アマルフィの起源は、339年に設置された交易所まで遡ります。当初は東ローマ帝国（ビザンツ帝国）の影響下にあるナポリ公国に支配されていました。838年にはランゴバルド族に一時占領されますが、翌年にはこれを撃退し、知事を選出して自治共和国としての体制を築き始めます。958年には元首を選出し、公国へと移行、間もなくして最盛期を迎えます。

しかし、11世紀に入ると政情は不安定になり、サレルノ公国の介入を招くようになります。1073年には、ノルマン人のロベルト・イル・グイスカルドによって征服され、アマルフィ公の地位も彼の息子に奪われることとなり、独立を失いました。1096年に反乱が発生しますが、1101年に鎮圧されます。1130年に再び反乱が起こるものの、1131年にはルッジェーロ2世によってシチリア王国に併合されることとなります。1135年と1137年にはピサによる攻撃を受け、これにより都市としての地位も急速に低下していきました。

関連項目

* 聖ヨハネ騎士団

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