アミナ・クローディン・マイアーズ

アミナ・クローディン・マイアーズ（Amina Claudine Myers）は、1942年 3月21日にアメリカ合衆国アーカンソー州ブラックウェルで生まれた、ジャズ界で多才ぶりを発揮する音楽家です。彼女はピアニスト、オルガン奏者、ボーカリストとして演奏活動を行う傍ら、作曲家、編曲家としてもその才能を示しています。

若き日々

ブラックウェルで生まれたマイアーズは、主に大叔母と大叔父によって育てられました。教師であった大叔母と、大工でありながらクラリネット、ピアノ、フルートを演奏する音楽愛好家であった大叔父は、彼女が音楽と出会う上で重要な存在でした。4歳頃からセイクリッド・ハーツ・カトリック・スクールなどでピアノの手ほどきを受け始めます。7歳の時には家族と共にテキサス州ダラス郊外の黒人コミュニティ、ルーズベルトへと移り住みました。当地でもピアノとヴァイオリンを学びますが、経済的な事情から、週に15分間のピアノレッスンに絞ることになります。高校ではヨーロッパのクラシック音楽を学び始めますが、家族がブラックウェルに戻ることになり、その学習は一時中断となりました。

シカゴでの発展

フィランダー・スミス・カレッジ（アーカンソー州リトルロック）に進学し、音楽教育を専攻しました。在学中の2年目には、テネシー州メンフィスのクラブで演奏する機会を得ますが、当時のレパートリーの少なさから、この契約は短期間で終了しました。大学卒業後、1963年にシカゴへと拠点を移し、小学校で音楽教師として教鞭をとる傍ら、自身の音楽活動も継続しました。ルーズベルト大学の授業にも通いながら、ソニー・スティットやジーン・アモンズといった著名なミュージシャンとのセッションに参加し、研鑽を積みました。また、アソシエーション・フォー・ザ・アドヴァンスメント・オブ・クリエイティヴ・ミュージシャンズ（AACM）の初期のコンサートに参加するなど、シカゴの前衛的な音楽シーンにおいてもその存在感を示しました。1960年代後半には、彼女は自身の名前に「アミナ」を加えています。

ニューヨーク、そして国際的な活動

1976年、マイアーズはニューヨークへと移り、この地で作曲活動をさらに本格化させました。彼女の作曲は、ジャズの領域にとどまらず、オフ・ブロードウェイの舞台作品にも及ぶなど、その活動範囲を広げました。同時に、ピアニストおよびオルガン奏者としての演奏、レコーディング活動も精力的に続けました。特に、1978年頃からはトランペット奏者レスター・ボウイ率いるクインテットやニューヨーク・オルガン・アンサンブルと共に、ヨーロッパ各地での演奏旅行を行い、国際的な名声を確立していきました。彼女の音楽は、ゴスペルやブルース、アフロアメリカンの伝統音楽に根差しながらも、即興演奏と前衛的な探求心を融合させた独自の世界を築いています。

ディスコグラフィ

アミナ・クローディン・マイアーズは、リーダー作品として多数のアルバムを発表しているほか、多くのミュージシャンのレコーディングにも参加しています。

リーダー・アルバム

『Poems for Piano: The Piano Music of Marion Brown』(1979年)
『Song for Mother E』(1980年) ※with フェローン・アクラフ
『Salutes Bessie Smith』(1980年)
『The Circle of Time』(1983年)
『ジャンピン・イン・ザ・シュガー・ボウル』(1984年)
『カントリー・ガール』(1986年)
『Amina』(1987年)
『In Touch』(1989年)
『Women In (E)Motion Festival』(2004年) ※1988年録音
『Augmented Variations』(2004年)
『Sama Rou』(2016年)

その他参加アルバム

ムハル・リチャード・エイブラムス: 『Lifea Blinec』(1978年)、『Spihumonesty』(1979年)、『Duet』(1981年)
アート・アンサンブル・オブ・シカゴ: 『Salutes the Chicago Blues Tradition』(1993年)
アーサー・ブライス: 『Blythe Spirit』(1981年)
レスター・ボウイ: 『African Children』(1978年)、『ザ・フィフス・パワー』(1978年)、『ジ・オルガナイザー』(1991年)、『ファンキーT、クールT』(1991年)
フランク・ロウ: 『Exotic Heartbreak』(1981年)、『ライヴ・フロム・サウンドスケイプ』(1994年) ※1982年録音
モーリス・マッキンタイア: 『Humility in the Light of the Creator』(1969年)
グレッグ・オズビー: 『シーズン・オブ・リニューアル』(1990年)
ジム・ペッパー: 『Afro Indian Blues』(2006年) ※1991年録音
サード・レイル (ジェームス・ブラッド・ウルマー & ビル・ラズウェル): 『サウス・デルタ・スペース・エイジ』(1995年)
ヘンリー・スレッギル: 『X-75 Volume 1』(1979年)、『Subject to Change』(1985年)、『ソング・アウト・オブ・マイ・ツリーズ』(1994年)
ジェームス・ブラッド・ウルマー: 『Blue Blood』(2000年)

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