アメリカフウロ

アメリカフウロ（亜米利加風露、学名：Geranium carolinianum）は、フウロソウ科フウロソウ属に分類される一年生または越年草の雑草です。元々は北アメリカが原産であり、日本には帰化植物として侵入しました。最初に確認されたのは1932年の京都府であり、現在では日本全国に分布を広げ、道端や空き地などでごく普通に見かけることができます。

形態と特徴

草丈は通常、数十センチメートル程度ですが、生育環境によっては40cmほどの高さまで成長することもあります。株は基部から多数の枝を分枝させ、横方向に広がって生育します。葉は掌状で、大きく3～5つに深裂しており、それぞれの裂片もさらに細かく切れ込んでいます。葉柄は比較的長く、葉全体が手のひらを広げたような独特の形状をしています。

花は直径約5mmと小さく、淡いピンク色の5弁花を咲かせます。開花後、花弁が散ると、花の中央部分が徐々に伸びていき、その基部に果実が形成されます。果実は最初は緑色をしていますが、成熟するにつれて黒色に変化します。

ゲンノショウコとの比較

アメリカフウロは、日本の在来種であるゲンノショウコと同じフウロソウ属に属しています。そのため、外見がよく似ていますが、いくつかの点で区別することができます。アメリカフウロの葉には、しばしば赤い縁取りが見られることがあり、また、ゲンノショウコに見られるような葉の黒い斑点がありません。これらの特徴に着目することで、両者を識別することが可能です。

生育環境

日当たりの良い場所から半日陰まで、比較的幅広い環境に適応します。乾燥した場所でも生育できますが、適度な水分がある方がより良く育ちます。繁殖力が旺盛で、種子によって容易に распространяется。

注意点

特にありません。

参考文献

林弥栄監修、平野隆久写真 『野に咲く花』 山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑1〉、1989年、ISBN 4-635-07001-8。
『写真で見る外来雑草』 畜産技術協会、1995年、ISBN 4-88137-056-1。

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