アメリカン・アルセイシアン

アメリカン・アルセイシアンの特徴と歴史

アメリカン・アルセイシアンとは、1990年代にアメリカのカリフォルニア州で育てられた大型の犬種です。最初は「アルセイシアン・シェパリュート」という名で知られていましたが、2000年に現在の名称に改名されました。この犬種は家庭犬としての性質を重視しており、愛好団体であるナショナル・アメリカン・アルセイシアン・クラブがありますが、メジャーな畜犬団体の認定は受けていません。

歴史

アメリカン・アルセイシアンは、ブリーダーのロイス・デニーによって1987年に作出が始まりました。この犬種は、オオカミのような見た目を持ちながら、家庭で飼いやすいことを目的としています。最初は「ノース・アメリカン・シェパリュート」と名付けられていましたが、1988年からはジャーマン・シェパード・ドッグとアラスカン・マラミュートの血を受け継いだことにちなんで名が変わりました。さらに交配を重ね、イングリッシュ・マスティフや他の犬種も参加させることで、最終的にアメリカン・アルセイシアンが形成されたのです。

犬種の確立には約15年を要し、ようやく現在の安定した形に達しました。今後、家庭犬としてだけでなく、警察犬や盲導犬、セラピードッグなどの分野でも力を発揮できる可能性が期待されています。とはいえ、歴史が比較的浅いため、その数はまだ多くなくアメリカ合衆国以外ではあまり知られていません。

特徴

体高は雄で約63〜71cm、雌で約61〜69cm、体重は雄が36〜54kg、雌が34〜45kgと、がっしりとした骨格を持つ大型犬です。しっかりした体格ですが、走る速度はあまり速くないもののその力強さが際立ちます。広い頭部と深い胸に立ち耳、ふさふさした垂れ尾が特徴です。この犬種にはロングコートとショートコートの二つの毛質があり、ウルフ、グレー、ブラックなど、さまざまな毛色が存在します。白い毛色を持つ個体も稀に見られますが、現在は血統書の発行は行われていません（最新情報は2009年4月時点）。

性格としては、非常に人懐っこく温厚で、友好的な性格が際立っています。他の犬や人たちとも楽しく遊ぶことが好きで、小さな子供に対しても寛容です。トレーニングの習得スピードは速く、適切なしつけを行うことで数十分で基本的な指示を理解します。イングリッシュ・マスティフの穏やかさとアラスカン・マラミュートの友好的な特性を兼ね備えているため、基本的に攻撃的な面はありません。また、家庭犬に適した性格から人気があります。しかし、その大きな体重と運動量の多さを考慮しながら飼育することが重要です。

健康面では、まだ新しい犬種であるため具体的な病気は特定されていませんが、大型犬特有の股関節形成不全のリスクがあるとされています。ただし、2009年の時点では、純血のアルセイシアンにおいて重い関節炎を患っている個体は少数に過ぎませんでした（老犬における状況は除外します）。

おわりに

アメリカン・アルセイシアンは、魅力的な外見と友好的な性格で、家庭でのペットとしての役割を果たすだけでなく、今後の役割にも期待が寄せられています。これからもその成長を見守っていきたい犬種です。

もう一度検索