アメリカ合衆国の政党

アメリカ合衆国の政党

アメリカ合衆国の政党は、そのゆるやかな組織構造と二大政党制によって特徴付けられます。本稿では、アメリカの政党の特色、主要政党、そして多様な小政党について解説します。

特色

党員

アメリカの政党は、他国と比較して非常に緩やかな組織です。党員の義務や資格審査は存在せず、州当局への届け出のみで党員とみなされます。固定支持層のほとんどが党員ですが、対立党の候補に投票する党員も少なくありません。2004年の時点では、民主党に約7200万人、共和党に約5500万人が登録し、約4200万人が無所属または第三党に登録していました。

党組織

平時における党の組織的な活動は限定的で、各選挙ごとに委員会が組織されます。全国委員会が地方の活動に干渉することは稀であり、各議員の独立性が強いのが特徴です。党議拘束は原則として行われず、採決では両党の議員が賛否に分かれるのが常態です。また、民主党は一般にリベラルとされますが、フランクリン・ルーズベルト時代以前からの保守的な伝統を保持している地域も存在します。

民主・共和両党には全国委員長という政党代表に相当するポストがありますが、大統領選挙では予備選挙で選出された大統領候補者が別に存在します。全国委員長は大統領候補者になることはなく、あくまで裏方的な存在です。

二大政党制

連邦議会選挙とほとんどの地方選挙では小選挙区制が採用され、大統領選挙では多くの州で勝者総取り方式が採用されています。そのため、中小政党からの政治家輩出は困難ですが、新人候補が予備選挙で勝利すれば党の公認を得やすいため、有望な政治家志望者のほとんどは二大政党からの出馬を目指します。その結果、大統領は二大政党から選出され、連邦議会議員、州知事、州議会議員、大都市の市長などもほとんどが二大政党に所属しています。

二大政党以外の政党は「第三党」と呼ばれますが、必ずしも第三位の勢力とは限りません。大統領選挙では州ごとに参入要件が異なり、大規模な第三党でも全ての州で投票が認められるとは限りません。

政党一覧

現在の二大政党

19世紀後半以降の二大政党は以下の2党です。

民主党（1828年頃成立）
共和党（1854年成立）

結党当初は民主党が保守派、共和党が進歩派でしたが、20世紀初頭に逆転しました。

現在の第三党

アメリカ緑の党（2001年成立）
リバタリアン党（1971年成立）
立憲党（1999年成立）

その他、多数の小政党が存在します。

消滅した歴史上の政党

アメリカには、過去に存在した多くの政党があります。

連邦党
民主共和党
国民共和党
ホイッグ党
反メイソン党
自由土地党
ノーナッシング党

など、様々な政党が歴史の中で消滅していきました。

まとめ

アメリカの政党制度は、ゆるやかな党員制度、二大政党制、そして多様な小政党の存在によって特徴付けられます。この独特な構造が、アメリカ政治の複雑さと多様性を生み出していると言えるでしょう。

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