アメリカ独立戦争の海軍作戦行動

アメリカ独立戦争における海軍作戦

アメリカ独立戦争において海軍の作戦は、1775年の戦争勃発から1783年のパリ条約による独立承認までに展開された重要な軍事行動である。この期間中、アメリカ、イギリス、フランスなどの海軍による数々の作戦が行われ、海戦は独立の成否に大きく寄与した。これらの作戦は大きく二つの段階に分けることができる。

第一段階: 1775年から1778年

第一段階は、1775年の開戦から1778年の夏までを含む。この時期、イギリス海軍は大陸軍に対抗するため、北アメリカの海岸や河川、湖において活動した。特に、イギリス陸軍との連携が重要であり、海軍は物資や軍隊の補給を担当した。また、イギリスの商船がアメリカの私掠船から守られることも海軍の重要な任務であった。

この時期、海戦は小規模であり、1775年6月12日に行われたマチャイアスの海戦において、アメリカの植民者がイギリスの艦船を捕らえたのが最初の海戦とされている。また、イギリス海軍は沿岸の町に対する懲罰的な攻撃を行ったものの、逆に敵の反発を招く結果となっている。1776年のチャールストン攻撃の失敗もその一例である。

第二段階: 1778年から1783年

第二段階では、フランスやスペイン、オランダの参戦により海軍作戦は一層活発になり、1778年から1783年の間に大規模な海戦が行われるようになった。この時期、フランス海軍の参戦は特に大きな影響を及ぼした。フランスはサラトガの戦いに続いてアメリカに参戦し、大陸軍を支援することを決定した。フランス艦隊はイギリス海軍と衝突し、特に1778年のウェサン島の海戦では互いに対立したが決定的な結果には至らなかった。

この期間には、アメリカ大陸での作戦支援や通商保護が目的となった作戦が多く見られる。1779年には、アメリカ軍艦がイギリスの艦船を拿捕するなど、アメリカ大陸での海軍力が次第に強化されていった。特にジョン・ポール・ジョーンズ船長は、イギリス艦船を捕らえるなどの功績によってアメリカ海軍の英雄となる。

アメリカ海軍の形成と私掠船の活躍

アメリカ独立戦争の初期、アメリカ大陸海軍は正式に設立されたが、当初は大きな戦列艦を持たず、私掠船が中心であった。私掠船はイギリスの通商を妨害し、600隻以上のイギリス船を捕獲したが、その多くは商業的利益を追求するために活動していたため、必ずしもアメリカの利益に貢献したわけではなかった。1775年に創設された大陸海軍は、1776年にエセク・ホプキンスが指揮する艦隊によって初の作戦行動を行った。しかし、艦隊の弱体さから、海戦では敗北が続くこととなった。

フランス、スペインの介入と戦局の変化

1778年以降、フランスが戦闘に参加し、さらに1779年にはスペインも参戦したことにより、戦局は大きく変わった。フランスは、イギリスの主要な植民地への攻撃を展開し、またアメリカ大陸での戦闘をサポートすることで、戦争の行方に影響を与えた。たとえば、フランス海軍のド・グラス提督は、1778年にロードアイランドの戦いを通じてイギリス軍に対する攻撃を行った。

この期間の海軍作戦は、アメリカだけでなく、ヨーロッパの地政学にも影響を与え、特に西インド諸島での戦闘や艦隊の動きが、全体の戦争に対する態度を変える一因となった。

結論

アメリカ独立戦争の海軍作戦は、戦争の行方を左右する重要な要素であり、特にフランスやスペインの介入によって形成された国際的な海軍戦略が、新たな局面を切り開いた。これらの作戦行動は、アメリカの独立のみならず、国際的な海軍力の新たな均衡を生み出すきっかけにもなった。法国や西インド、東インドでの多くの海戦がその後の歴史を形作っていく中、アメリカの独立は海軍力の重要性を再認識させることとなった。

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