アメリカ連合国海軍

アメリカ連合国海軍（CSN）の歴史

アメリカ連合国海軍（Confederate States Navy、CSN）は、アメリカ連合国の海軍部門として1861年に設立されました。これは南北戦争における連合国の海軍作戦行動を統括し、南部の港や沿岸海域を外敵から守るためのものでした。また、合衆国の商船を攻撃して経済的打撃を与え、海上封鎖を打破することが主な任務とされていました。

創設の背景

連合国海軍は1861年2月21日に連合国議会により創設され、海軍長官にはスティーヴン・マロリーが指名されました。彼は合衆国上院議員としての経験を持ち、海軍の組織構築に取り組むことになりました。連合国側は艦船の数では合衆国海軍に劣っていましたが、技術革新を通じてその劣位を克服しようとしました。連合国海軍は装甲艦や潜水艇、水雷艇を積極的に取り入れ、1861年にはわずか10隻の艦船しか保有していませんでしたが、戦争が進むにつれて艦隊は成長しました。

主な艦船と戦闘

連合国海軍で最も知られる艦船は装甲艦「ヴァージニア」です。この艦はもともと合衆国海軍の汽船「メリマック」でしたが、爆破後に引き揚げられ装甲艦として改修されました。1862年3月にはハンプトンローズ海戦に出撃し、合衆国の装甲艦「モニター」との戦闘が歴史的なものとなりました。この戦いは軍艦の設計や戦術に大きな影響を与え、装甲艦の存在を確立しました。

また、連合国海軍は潜水艇「H・L・ハンリー」にも注目すべき役割があります。1864年、彼女は初めて潜水艦が敵艦を沈めた実績を残しました。このように、連合国海軍は奇襲戦術を駆使し、合衆国の商船に対する攻撃を行ったことで知られています。

組織の拡張

南北戦争が進行する中で、連合国海軍は多くの優秀な将兵を迎え入れ、組織は急速に拡張されました。多くの海軍兵学校の学生たちが新たに加わり、海軍の運営には大きな変化がもたらされました。連合国海軍は1862年初頭の時点で、将官や各等級の士官を多数揃え、戦力を強化しました。

私掠船の導入

艦船不足を補うため、連合国政府は私掠船を利用する方針を採用しました。1861年4月には私掠船免状の交付が宣言され、多くの民間船舶が敵艦に対する攻撃に従事しました。しかし、初期段階では合衆国海軍によって多くの私掠船が撃退される結果となりました。

最後に

連合国海軍は南北戦争中、合衆国に対抗するための重要な役割を果たしました。その活動は艦船の設計、海戦の戦術に大きな影響を与え、歴史に名を刻むこととなりました。特に装甲艦と潜水艦の登場は、時代の転換点となったのです。連合国海軍の革新と冒険の歴史は、海軍としての新しい形を世に示しました。

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