アモバルビタール

アモバルビタールについて

アモバルビタール（Amobarbital）、別名アミタール（amytal）は、バルビツール酸系の薬剤であり、主に催眠や鎮静を目的として使用される。中枢神経系全体に影響を及ぼし、リラックス効果をもたらす。この薬剤は、イソミタールなどの製品名でも知られているが、近年では安全性が高いとされるベンゾジアゼピン系の薬剤に取って代わられている。

バルビツール酸系の薬剤は、依存症を引き起こす可能性があるため、使用には注意が必要であり、急に服用を中止すると離脱症状が現れることがある。また、アモバルビタールは向精神薬に関する国際的な規制にも含まれており、日本の法律においても第二種向精神薬として位置づけられている。

特徴と作用

この薬剤は、不眠症や精神的な不安を軽減するために使用されることが多い。特に、一部の医師や薬剤師が配合するイソミタールとブロムワレリル尿素（通称ブロバリン）による複合処方が行われる場合もある。しかし、睡眠薬としての用途においては、現在ではより安全性の高いベンゾジアゼピンが推奨されることが一般的だ。

アモバルビタールは、口服してから約2〜4時間で最高濃度に達し、血中での効果は16〜24時間続く。脳全体の神経を鎮静させるため、催眠、鎮静、さらには抗痙攣作用も示すことが知られている。また、レム睡眠を抑制する特性があり、これにより悪夢の頻度を減らしたり、より深い睡眠を促進できる可能性がある。

その毒性については、ウサギに対する致死量（LD50）は0.15g/kg、マウスでは250mg/kgとされている。

用法

不眠症に対しては、成人における通常の用量は、就寝前に0.1〜0.3gを経口で服用する。また、不安や緊張に対しては、1日あたり0.1〜0.2gを2〜3回に分けて服用することが推奨される。ただし、年齢や症状に応じて適宜調整が必要になる。現在は錠剤は廃止され、粉剤のみが利用可能である。

ガイドライン

日本における2012年のうつ病診療ガイドラインでは、バルビツール酸系の製剤は推奨されない治療に分類されており、極力処方を避けるべきであるとの指針が示されている。また、2013年の睡眠薬に関するガイドラインでも、深刻な副作用が多く、バルビツール酸系の使用はほとんど行われていないと警告されている。

副作用

一般的に見られる副作用としては、服用直後のふらつきやめまい、健忘、そして翌日への眠気や倦怠感がある。長期使用や高用量では依存症が形成される可能性もあるため、特に注意が必要だ。また、まれではあるが重篤な皮膚反応が報告されている。2017年には、薬物依存症のリスクが追加され、使用に際しては慎重に投与するよう通達が出されている。

以上の通り、アモバルビタールは有用な側面を持つ一方で、使用に際しては慎重さが求められる薬剤である。

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