アラブ王冠 (中央競馬)

アラブ王冠競走：アングロアラブ系の歴史を彩ったレース

アラブ王冠競走は、日本中央競馬会(JRA)がかつて施行していた中央競馬の競走です。アングロアラブという、サラブレッドとアラブ馬を掛け合わせた品種の競走馬が出走するレースとして知られていました。

レースの位置づけと変遷

当初は、有名な読売カップ競走の前哨戦としての役割も担っていました。しかし、読売カップの施行条件が変更されたことなどから、開催時期や開催競馬場が変遷していくことになります。セイユウ記念の前後2ヶ月に開催されることもありました。

第44回をもって重賞競走の格付けは廃止されましたが、中央競馬におけるアングロアラブ系の競走が廃止されるまで、その名称は継承されました。開催競馬場は、当初は春に東京競馬場、秋に中山競馬場と決まっていましたが、次第に東京競馬場での開催はなくなっていき、中山競馬場、福島競馬場、新潟競馬場と持ち回りで開催されるようになりました。

出走条件と優勝馬への付帯条件

出走条件は、アラブ系4歳以上の抽選馬に限られていました。負担重量はハンデキャップ方式でした。また、直近3か月間に2回以上出走していることが条件とされ、その期間に未勝利戦や未出走戦に出走した馬は除外されました。

優勝馬には様々な条件が付与されるケースがありました。例えば、第1回ではアラブ4歳特別競走とアラブ中距離ハンデキャップ競走への出走が禁止されるなど、そのほとんどが「開催期間中における規制」といったものでした。優勝馬への付帯条件は、年によって異なっていたようです。

歴代優勝馬と記録

1982年までの優勝馬に関する記録は、春秋開催別に分けて記録されていませんでした。これは、資料の連続性を維持するためです。1983年以降は重賞レースではなくなったため、回次の表記もありません。具体的な優勝馬とその成績については、当時の競馬専門誌やJRAの記録を参照する必要があります。1983年から1995年までの優勝馬の記録は、『優駿』誌やJBISサーチなどで確認できます。

アラブ王冠競走の意義

アラブ王冠競走は、アングロアラブという独自の品種に焦点を当てた競走として、中央競馬の歴史において独特な位置を占めていました。このレースは、アングロアラブ系の競走馬の育成や競走界への貢献に大きな役割を果たしたと言えるでしょう。重賞レースとしての格付けはなくなりましたが、その歴史はアングロアラブ系の競走馬の歴史と深く結びついており、競馬ファンにとって重要な記憶として残っています。資料の不足により、詳細な優勝馬の情報や各年のレース展開については触れられませんでしたが、多くの競走馬とその関係者にとって重要なレースであったことは間違いありません。今後の研究で、より詳細な情報が明らかになることを期待しています。

参考資料

『優駿』（各年1月号）
JBISサーチ
* 中央競馬全重賞競走成績集（障害・廃止競走編）

もう一度検索