アリサザイ科

アリサザイ科について

アリサザイ科（学名: Conopophagidae）は、鳥類のスズメ目に属する一つの科です。この科は主に、アリサザイと呼ばれる鳥の総称で知られていますが、狭い意味ではアリサザイ属に限定される点に注意が必要です。興味深いことに、「サザイ」という名称はミソサザイの古い呼び名に由来していますが、系統的にはあまり近縁ではありません。

生息地と特徴

アリサザイ科の鳥たちは、中南米の豊かな熱帯雨林に生息しており、その中でも特にアリサザイ属の種は、南米の広範囲に分布しています。ただし、1種だけはコスタリカを北限としています。それ以外の種は主に南米に位置しています。

この科は、全長が10〜13cm程度の小型の鳥たちで構成されています。食習慣に関しては、昆虫や他の小型節足動物を主に捕食します。しかし、一般的に「アリ」という名がついているものの、実際にアリを主な食物としているわけではありません。

系統と分類

アリサザイ科は、Moyle et al. (2009) に基づく系統樹において、カマドドリ下目の一部を成しています。この科は元々Sibley & Ahlquist (1990) によりカマドドリ小目に分類されていましたが、単系統性が確立されていないことから分離されて現在の分類に至っています。

この科には2属が含まれ、それぞれが密接に関連している姉妹群となっています。歴史的には、アリサザイ科はアリサザイ属のみから成る単型科とされていましたが、現在はアリヤイロチョウ属も加わっています。アリヤイロチョウ属は従来、アリドリ科に分類されていたこともあり、この変更は系統学上の進展を反映しています。

属と種

アリサザイ科は、国際鳥類学会議（IOC）により2属と11種に分類されています:

• - アリサザイ属 (Conopophaga): 9種

- Conopophaga lineata (アカアリサザイ)
- Conopophaga cearae (Ceara Gnateater、C. lineata から分離)
- Conopophaga aurita (ムナオビアリサザイ)
- Conopophaga roberti (クロズキンアリサザイ)
- Conopophaga peruviana (ハイノドアリサザイ)
- Conopophaga ardesiaca (ネズミアリサザイ)
- Conopophaga castaneiceps (クリボウシアリサザイ)
- Conopophaga melanops (ホオグロアリサザイ)
- Conopophaga melanogaster (クロハラアリサザイ)

• - アリヤイロチョウ属 (Pittasoma): 2種

- Pittasoma michleri (アリヤイロチョウ)
- Pittasoma rufopileatum (ズアカアリヤイロチョウ)

これらの分類は、アリサザイ科の多様性と生態的な役割を理解するために重要です。アリサザイ科の鳥たちは、その特有の生息地や習性を通じて中南米の生態系において重要な役割を果たしています。

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