アリ・サストロアミジョヨ

アリ・サストロアミジョヨ：インドネシアの独立に尽力した外交官、政治家

アリ・サストロアミジョヨ（Ali Sastroamidjojo、1903年5月21日 - 1976年3月13日）は、インドネシアの独立運動と初期の国家建設に重要な役割を果たした外交官であり、政治家です。彼は首相、インドネシア国民党党首、国連大使、そして複数の国の大使を歴任し、アジア・アフリカ会議では議長を務めるなど、国際舞台でも活躍しました。

生涯

オランダ領東インド時代

1903年、中部ジャワ州グラバグで名門貴族の家に生まれたサストロアミジョヨは、幼少期を農民の友人たちと共に過ごしました。しかし、両親は彼に都市部の学校でヨーロッパ式の教育を受けさせました。彼はヨーロッパ式の教育を受ける傍らでジャワの教育も学びましたが、両親はヨーロッパ式の教育に専念することを望みました。

クイーン・ウィルヘルミナ学校を卒業後、ライデン大学に進学し法学を学び、法学博士号を取得しました。大学在学中は、民族主義青年団体ジョン・ジャワや東インド協会のメンバーとして活動し、モハマッド・ハッタらと共に1927年に逮捕される経験もしました。帰国後は、ジョクジャカルタやスラバヤで弁護士として活動する傍ら、インドネシア国民党に入党し、政治活動にも参加しました。

インドネシア共和国時代

第二次世界大戦終結後、インドネシアがオランダから独立すると、サストロアミジョヨはスカルノ大統領の内閣で情報通信副大臣、アミル・サラフディン内閣と第1次ハッタ内閣で教育文化大臣を歴任しました。また、ハーグ円卓会議ではインドネシア代表団の副代表として交渉に参加し、独立国家としての地位確立に尽力しました。

その後、駐アメリカ大使、駐カナダ大使、駐メキシコ大使を歴任し、1951年にはワシントンD.C.に駐米インドネシア大使館を購入しました。1953年と1957年の二度にわたり首相に就任し、第1次内閣ではインドネシア・中国二重国籍協定の締結に尽力しました。第2次内閣退陣後の1957年から1960年にかけては国連大使を務め、退任後は1966年までインドネシア国民党党首を務めました。1976年、ジャカルタでその生涯を閉じました。

業績

サストロアミジョヨは、インドネシアの独立と初期の国家建設において、政治家、外交官として多岐にわたる貢献をしました。教育文化大臣としては、独立後のインドネシアの教育制度の基礎を築き、駐米大使としては、アメリカとの関係強化に尽力しました。首相としては、国内の政治的安定と経済発展に努めました。また、アジア・アフリカ会議の議長を務めたことは、インドネシアが国際社会においてリーダーシップを発揮する上で重要な出来事でした。

著作

サストロアミジョヨは、政治家としての活動の傍ら、作家としても国際関係と外交政策に関する著作を執筆しました。『国際法入門』（1971年）、『インドネシアの外交政策』（1972年）、『サストロアミジョヨの自伝』（1974年）、『オランダの4人のインドネシア学生』（1975年）などの著作は、彼の思想と業績を今に伝える貴重な資料となっています。

アリ・サストロアミジョヨは、インドネシアの歴史において重要な役割を果たした人物であり、彼の功績は後世に語り継がれるでしょう。

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