アルグス As 10 (エンジン)

アルグス As 10について

アルグス As 10は、ドイツのアルグス・モトーレンによって設計された航空機用の低出力エンジンです。このエンジンは、主に小型飛行機や練習機、偵察機、連絡機に使用されることで知られています。1928年から製造が開始され、第二次世界大戦を経た後も、終戦直後まで生産が続けられたため、非常に長い運命を持つエンジンと言えます。最終的には、合計で28,700基ものユニットが生産されました。

このエンジンの設計は、その後の進化系として知られるアルグス As 410 倒立V12エンジンへと発展を遂げました。また、日本でも神戸製鋼所がこのエンジンの国産化を行ったことがあり、日本の航空機産業においても影響を与えました。

主に搭載された航空機

アルグス As 10は、以下の機体に主に搭載されました：

• - アラド Ar 66
• - アラド Ar 76
• - アラド Ar 96A
• - ドルニエ Do 12
• - フィーゼラー Fi 156 シュトルヒ
• - フォッケウルフ Fw 56 シュテッサー
• - フォッケウルフ Fw 58
• - フォッケウルフ Fw 186
• - ハインケル He 74
• - ゴータ Go 145
• - ヘンシェル Hs 121
• - ヘンシェル Hs 125
• - クレム Kl 151
• - メッサーシュミット Bf 108 タイフーン
• - カ号観測機一型
• - テ号観測機

これらの機体は、教育訓練や偵察任務に用いられ、アルグス As 10の性能を最大限に活かしていました。

性能諸元（アルグス As 10C）

アルグス As 10Cの詳細な性能は以下の通りです：

• - エンジン形式: 空冷倒立90°V型8気筒
• - ボア × ストローク: 120 mm × 140 mm
• - 排気量: 12.677 L
• - 全長: 1,105 mm
• - 全高: 936 mm
• - 乾燥重量: 213 kg
• - 出力: 240 hp / 2000 rpm

このエンジンの設計は、軽量かつコンパクトながら高出力を発揮するものであり、数多くの小型機において優れた飛行性能を提供しました。

アルグス As 10は、その歴史的な価値や性能により、多くの航空愛好家や歴史家にとって、重要な存在として認識されています。このエンジンは、近代航空機エンジンの発展にも寄与したと考えられており、その影響は現代にまで続いています。

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