『アルコール先生海水浴の巻』(原題: By the Sea)は、
1915年に公開された
チャールズ・チャップリンによる短編
サイレント映画です。エッサネイ社が製作を手掛け、チャップリン自身が主演と監督を務めました。チャップリンの映画出演としては43作目に当たります。
作品の特徴
本作は、コンメディア・デッラルテやキーストン喜劇を彷彿とさせる、ドタバタ喜劇の要素が強い作品です。海水浴場を舞台に、登場人物たちが騒動を巻き起こす様子が描かれています。
あらすじ
風の強い海水浴場が舞台。行楽客(ビリー・アームストロング)と嫉妬深い男(バド・ジェイミソン)が、アイスクリームを巡って激しい争いを繰り広げています。その騒ぎに乗じて、チャーリーは嫉妬深い男の妻であるエドナ(エドナ・パーヴァイアンス)に言い寄ろうとしますが、男に見つかって追い払われてしまいます。そこでチャーリーは、今度は行楽客の妻(マーギー・ライガー)に目をつけ、ちょっかいを出そうとするのでした。
製作の背景
『アルコール夜通し転宅』以降、チャップリンはエッサネイ社のナイルズ撮影所で作品を製作していました。しかし、ナイルズ撮影所は、撮影所を仕切っていたギルバート・M・アンダーソンの作品も同時に製作していたため、手狭になっていました。そこでチャップリンは、新たな撮影場所を探すことになり、ナイルズ撮影所を離れることになります。その新しい撮影場所が見つかるまでの間、製作ペースを維持するために、全編ロケーション撮影で製作されたのが、この『アルコール先生海水浴の巻』でした。
この頃からチャップリンは、作品の製作に今まで以上に時間をかけるようになり、作品の公開間隔は徐々に長くなっていきました。例えば、次作である『チャップリンのお仕事』の公開は、2か月後の
1915年6月21日となっています。
キャスト
チャールズ・チャップリン - チャーリー
ビリー・アームストロング - 行楽客
マーギー・ライガー - 行楽客の妻
バド・ジェイミソン - 嫉妬深い男
エドナ・パーヴァイアンス - 嫉妬深い男の妻エドナ
パディ・マグワイア - 屋台の主
カール・ストックデール - 警官
参考文献
デイヴィッド・ロビンソン『チャップリン』 上、
宮本高晴、高田恵子 訳、
文藝春秋、1993年4月。
ISBN 978-4-1634-7430-4。
大野裕之『チャップリン・未公開NGフィルムの全貌』日本放送出版協会、2007年3月。ISBN 978-4-1408-1183-2。
外部リンク
By the Sea - IMDb(
英語)
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By The Sea - YouTube(BGMあり)