アルザマス

アルザマスは、ロシア連邦ニジニ・ノヴゴロド州に位置する都市で、人口は約10万人（2021年時点）です。オカ川の支流であるチョーシャ川の右岸に位置し、ニジニ・ノヴゴロド市から南に112km、モスクワからは410km離れています。

歴史

1578年、イヴァン4世（雷帝）によって、当時モルドヴィン人が多く住んでいたこの地に要塞が築かれたのがアルザマスの始まりです。アルザマスという地名の由来は諸説ありますが、いずれもモルドヴィン人のエルジャ語に由来するとされています。要塞は、ロシア帝国の南東部国境の守備に重要な役割を果たしました。この要塞の重要性は、1781年8月16日に定められた市章の盾にも象徴的に描かれています。

1719年にはニジニ・ノヴゴロド県の一地方の中心都市となり、1737年には人口が7,000人に達し、ニジニ・ノヴゴロドに匹敵する規模にまで成長しました。1779年にアルザマス郡が設置され、1781年には正式に市の地位を与えられました。

17世紀以降、アルザマスはモスクワからロシア南東部各地への重要な中継地として商業が発展しました。ガチョウやタマネギなどの農業や畜産、革製品の製造も盛んに行われました。1812年の対ナポレオン戦役（祖国戦争）の勝利を記念して建てられた復活大聖堂をはじめ、19世紀前半には20以上の聖堂が立ち並ぶ宗教の中心地にもなりました。1954年から1957年までの短い期間、アルザマスを州都とするアルザマス州が設けられましたが、わずか3年でゴーリキー州（現在のニジニ・ノヴゴロド州）に再統合されました。

観光と工業

アルザマスには130を超える歴史的な遺産が残されており、ロシア連邦の歴史都市の一つに数えられています。街には、古くからの建築物や文化的な施設が数多く点在し、歴史を感じさせる雰囲気が漂っています。観光客は、これらの歴史的建造物を巡り、街の歴史と文化に触れることができます。

また、アルザマスは機械工業が盛んな地域でもあります。特にアルザマス機械製造工場は、軍用車や特殊車両を製造する大手自動車メーカーで、現在はGAZグループの一員として活動しています。この工場は、地域の経済を支える重要な役割を担っています。

アルザマスは、歴史と産業が融合した魅力的な都市であり、多くの観光客やビジネス関係者が訪れる場所となっています。歴史的な建造物を見学したり、地元の産業を学んだりすることで、この街の多面的な魅力を感じることができるでしょう。

その他

アルザマスは、サロフ（アルザマス16）という閉鎖都市との関連でも知られています。サロフは、かつて核兵器開発の中心地であった場所で、アルザマスから程近い場所に位置しています。

参考資料

アルザマスを歩く
History of Arzamas
* General site of Arzamas

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