アルティストロワイヤル

アルティストロワイヤルは、輝かしい血統を受け継いだアイルランド出身の競走馬です。全姉にはフランスオークスなどG1競走を複数制覇した名馬アクアレリスト、従姉には1000ギニー優勝馬ケープヴェルディ、伯父にはブリーダーズカップクラシックを制したアルカングと、錚々たる一族に属しています。

デビューはフランスで行われ、ロンシャン競馬場の新馬戦でいきなり2着と好スタートを切ります。その後、2戦目で初勝利を挙げると、一般戦で2連勝と勢いに乗りましたが、重賞初挑戦となったギョームドルナーノ賞では8着と敗れ、3歳シーズンは平凡な成績に終わりました。

4歳シーズンに入り、復帰戦を2着、次走を4着とまずまずの走りを見せると、4度目の重賞挑戦となったラ・クープで重賞初制覇を果たします。その後、馬主が変わりアメリカへ転厩。ローラ・ドセルー調教師の下でアメリカを主戦場として活躍しますが、6歳になるまで勝利からは遠ざかり、2着3回、3着3回と惜しい競馬が続きました。

転機が訪れたのは5歳シーズン終了後です。ドセルー調教師の引退に伴い、名調教師ニール・ドライスデールが担当を引き継ぎました。長期の休養を経て復帰すると、デルマー競馬場の一般戦で3着。そして、前年3着に終わったCLハーシュ記念ターフ選手権ステークスに挑み、前年優勝馬ザティンマンを1馬身突き放し、念願のG1競走初制覇を達成します。この年はジャパンカップにも出走しましたが、8着と結果を残せませんでした。

7歳シーズンは、フランク・E・キルローマイルハンデキャップで2着、アーケイディアハンデキャップで4着と好走を続け、ウッドフォードリザーブ・ターフクラシックでは3着。しかし、チャールズウィッティンガムメモリアルハンデキャップで西海岸の強豪ラヴァマンやモンザントとの接戦を制し、G1競走2勝目を挙げます。その後、5ヶ月の休養を取りましたが、復帰戦は2着、香港カップでは11着と振るいませんでした。

8歳シーズンはサンマルコスステークスでG2競走を制覇し、再び活躍の兆しを見せましたが、その後は勝ち星に恵まれません。フランク・E・キルローマイルハンデキャップでは5着、サンルイレイハンデキャップでは3着、チャールズウィッティンガムメモリアルハンデキャップでは3着と、惜しくも連覇はなりませんでした。その後も数々の重賞競走に出走するものの、勝利には届かず、CLハーシュ記念ターフ選手権ステークスで6着に終わったのを最後に、競走生活に幕を閉じました。

アルティストロワイヤルは、牡馬ですが、発育不全により停留精巣の症状を抱えており、競走馬登録においては「Ridgeling（あるいはR）」と表記されていました。これは、精巣が体内に残ったままの状態であることを示すものであり、騸馬（去勢された馬）ではありません。

引退後はフランスのエトリアム牧場で種牡馬となり、その血統は新たな競走馬へと受け継がれています。数々の重賞競走での活躍、そしてG1競走2勝という輝かしい戦績は、競馬史にその名を刻むにふさわしいものと言えるでしょう。彼の競走生活は、多くのファンに感動と興奮を与え続けました。その活躍は、競馬ファンの記憶に長く残り続けることでしょう。

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