ラヴァマン

ラヴァマン：西海岸の帝王

ラヴァマンは、アメリカ合衆国を代表する競走馬として、2000年代にアメリカ西海岸でその名を馳せました。7年間の競走生活でG1競走7勝という輝かしい成績を収め、「西海岸の帝王」の異名を取った名馬です。その活躍は、主にカリフォルニア州を舞台に繰り広げられました。

西海岸での圧倒的な強さ

ラヴァマンの強さは、西海岸のダート中距離戦において際立っていました。2006年には、サンタアニタハンデキャップ、ハリウッドゴールドカップ、パシフィッククラシックステークスと、西海岸を代表する主要レースをすべて制覇するという偉業を達成しました。芝のG1レースにも対応可能で、オールウェザーのトラックでも好成績を残すなど、その適応力の高さも魅力でした。しかし、東海岸や中部、そして国外のレースでは、西海岸での活躍とは対照的に苦戦することが多く見られました。2005年のジャパンカップダートへの遠征では11着に終わっており、この結果が彼の西海岸限定の強さを際立たせていると言えるでしょう。

若駒時代とキャリアの転機

ラヴァマンはカリフォルニア州で生まれ、ルーニー・アーターバーン調教師の管理下で競走生活を始めました。デビューは平凡でしたが、その後、ダグ・オニール調教師に管理を移し、着実に力をつけていきます。2004年にはダービートライアルステークスでステークス競走初勝利を挙げ、グレード競走初挑戦のマリブステークスでは2着と好走しました。

2005年、オニール調教師はラヴァマンにブリンカーを装着するという決断を下します。この変更が転機となり、続く一般競走、そしてカリフォルニアンステークスを制覇。さらに勢いに乗って臨んだハリウッドゴールドカップでは圧勝し、G1競走初制覇を達成しました。しかし、パシフィッククラシックステークスやジョッキークラブゴールドカップでは結果を残せず、同年11月にはジャパンカップダートに出走、左前脚の膿瘍の影響もあり11着と大敗を喫します。この遠征を機に、騎手はコーリー・ナカタニに固定されました。

飛躍の年とブリーダーズカップ

2006年はラヴァマンにとって飛躍の年でした。サンシャインミリオンズクラシック、サンタアニタハンデキャップを制し、その後も7連勝という驚異的な快進撃を続けました。西海岸競馬の主催者からは「Horse of the Meet（今季の主役）」と称賛され、西海岸の頂点に君臨しました。しかし、年末のブリーダーズカップ・クラシックでは、位置取りの不利もあり、優勝馬に大きく差をつけ7着に終わりました。

後期と引退後

2007年もサンタアニタハンデキャップ連覇、ハリウッドゴールドカップ3連覇など活躍を続けましたが、遠征レースでは苦戦しました。2008年を最後に一度引退。その後、2009年に復帰するも、再び引退することとなりました。

引退後はオニール厩舎に残され、リードポニーとして活躍しました。特に、同厩舎のアイルハヴアナザーのケンタッキーダービーやプリークネスステークスへの遠征に帯同し、スタートまでの誘導を務めたエピソードは有名です。2015年にはアメリカ競馬殿堂入りを果たし、その功績は長く語り継がれることでしょう。ラヴァマンの物語は、西海岸の競馬史に燦然と輝く一ページを刻みました。

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