アクアレリスト

アクアレリスト - 水彩画家を名乗る名牝の物語

アクアレリスト（Aquarelliste）。その名前にふさわしく、華麗な競走生活を彩ったフランスの競走馬である。水彩画家を意味するこの名前は、その繊細さと華やかさを象徴しているかのようだ。時にアクワレリスト、アクアレリスタとも表記されるこの馬は、2001年から2003年にかけて、フランスの競馬界を席巻した。

2001年、3歳シーズンにデビュー。フランス競馬では5月から2歳の新馬戦が始まる中、4月29日のデビューは極めて遅いスタートだった。にもかかわらず、初戦を危なげなく勝利する。しかし、この勝利の直後、調教師と馬主の間に問題が発生し、アクアレリストは転厩を余儀なくされる。新たな厩舎で迎えた2戦目も快勝。その潜在能力の高さが証明された。

そして、キャリアわずか2戦で挑んだディアヌ賞（フランスオークス）。サンタラリ賞優勝馬ナディアなど強豪を抑え、1番人気に応え見事優勝した。その後、フランスの最強牝馬決定戦であるヴェルメイユ賞でも勝利。勢いに乗って挑んだ凱旋門賞では、サキーに次ぐ2番人気に支持され、見事2着に輝いた。

2002年、古馬として初戦のガネー賞を制覇。その後もキングジョージ6世&クイーンエリザベスダイヤモンドステークス4着、香港ヴァーズ2着など、国際舞台でも活躍を見せた。2003年にはエクスビュリ賞を勝利するも、ドバイワールドカップでは9着と大敗。このレースを最後に、輝かしい競走生活に幕を閉じた。

アクアレリストの血統もまた、注目に値する。全弟には2007年のジャパンカップに出走したアルティストロワイヤルがいる。母方の近親には、数々のG1競走を制した名馬が名を連ねる。その血統背景が、アクアレリストの卓越した能力を支えていたことは間違いないだろう。

アクアレリストの競走生活は、決して平坦なものではなかった。しかし、その困難を乗り越え、数々の栄光を手にした彼女の物語は、多くの競馬ファンに感動と興奮を与え続けている。短くも華麗なその競走生活は、今もなお語り継がれるべき、競馬史に輝く一ページである。

主な勝ち鞍

2001年 ディアヌ賞、ヴェルメイユ賞
2002年 ガネー賞

主な近親

アルティストロワイヤル（全弟）：CLハーシュ記念ターフ選手権ステークス（米G1）など
Agathe（母）：プシシェ賞（仏G3）、フランス1000ギニー2着など
アルカング（伯父）：ブリーダーズカップクラシック（米G1）、イスパーン賞（仏G1）など
Cape Verdi（従姉）：1000ギニー（英G1）、ロウザーステークス（英G2）など
Abgara（従妹）：ビヴァリーDステークス（米G1）、ダイアナハンデキャップ（米G1）など
Actrice（従妹）：コリーダ賞（仏G2）など
* Ashmore（大伯父）：ドーヴィル大賞典（仏G2）2回、ジャンドショードネイ賞（仏G2）など

アクアレリストの競走成績や血統表などの詳細は、JBISサーチやRacing Postなどのサイトで確認できる。

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