アルトゥール・ロウレイロ

アルトゥール・ジョゼ・デ・ソウザ・ロウレイロ

アルトゥール・ジョゼ・デ・ソウザ・ロウレイロ（1853年2月11日 - 1932年7月7日）は、ポルト生まれのポルトガルの画家で、後にオーストラリアに移住し、その地でも名を馳せることとなりました。

生い立ちと教育

ロウレイロは、ポルトでアントニオ・ジョゼ・ダ・コスタから絵画を学び、さらにポルト高等美術学院でジョアン・アントニオ・コレイラの指導を受けました。彼の画家としての基礎が培われる中、彼は1887年にパトロンであるデルフィン・ゲデスの助けを得てローマへ渡ります。新しい環境で多くの経験を積んだことは、彼の作品に大きな影響を与えました。

パリでの活動

1879年、ロウレイロはエコール・デ・ボザールでの奨学金を得て、パリに移住します。ここで彼はカルチエ・ラタンに住み、アレクサンドル・カバネルの工房に入ります。この時期、ロウレイロは他のポルトガル出身の芸術家たちとともにサロンに出展し、次第に名声を高めました。彼の作品は、当時のパリのアートシーンにおいて注目される存在となりました。

フランス滞在中、彼は小説家の妹マリー・ハイバースと出会い、奨学金の規約に反して結婚します。しかし健康を害し、代わりの奨学金を探すことができないまま、ロンドンへ移住することになります。ロンドンでも評価を受けますが、健康問題から温暖な気候の地域へ移動することが必要となりました。

オーストラリアへの移住

ロウレイロは1884年、妻の生まれ故郷であるオーストラリアに移住し、メルボルンに定住しました。翌年にはオーストラリア芸術連盟の初期メンバーとなり、この団体は1888年にビクトリア芸術協会と合併します。また、オーストラリア長老派教会の女子教育機関で「デザイン教授」として教鞭をとり、いくつかの美術展の審査員やビクトリア国立美術館の検査役としても活動しました。

帰国と晩年

1901年、妻マリーを亡くしたロウレイロはポルトに帰国し、ロンドンの水晶宮を模した「パラシオ・デ・クリスタル」に工房を構えます。ここは地元のアーティストたちが集まり、交流の場となります。しかし、彼の人生には不幸も重なり、一人息子を第一次世界大戦中に失うという悲劇が訪れました。その後1918年に再婚し、1932年、亡くなる数ヶ月前にはサンティアゴ・ダ・エスパーダ軍事勲章を受章しました。

ロウレイロは、田舎の風景を描くために郊外に出かけた際に突然死し、その生涯を閉じます。彼の作品は今でも多くの人々に愛され続けています。

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