アルバトロス級コルベット

アルバトロス級コルベット

アルバトロス級コルベット（イタリア語: Corvetta Classe Albatros）は、イタリアが第二次世界大戦後に初めて建造したコルベットの艦級です。この艦級は、イタリア海軍だけでなく、オランダ海軍やデンマーク海軍でも運用されました。また、準同型艦はインドネシア海軍、イラン海軍、そしてタイ王国海軍でも配備されています。

設計と構造

この艦級の設計は、輸出用としてアンサルド社（Gio. Ansaldo & C.）によって開発されました。主な propulsion（推進システム）として、フィアット製のM409ディーゼルエンジンが2基搭載され、これにより2軸のスクリュープロペラが駆動されます。総電力は1,200キロワットで、艦は優れた機動性を持っています。

艦で用いられる艦砲は、当初は90mm砲が予定されていましたが、実際には62口径76mm単装砲（SMP3ソヴラポスト）が搭載されました。ところが、この砲は構造が複雑であり、頻繁に動作不良を起こしたため、1963年には70口径40mm連装機銃に替えられました。対潜能力も備えられており、イタリア製のメノン305mm対潜迫撃砲とヘッジホッグMk.11対潜迫撃砲、そして爆雷投射装置も搭載されていましたが、後に艦砲の換装に伴いメノンは撤去され、324mm3連装短魚雷発射管が装備されました。

同型艦の建造

アルバトロス級コルベットは、イタリアで合計8隻が建造され、そのうち3隻はイタリア海軍に配属されました。また、1隻はオランダ海軍に、4隻はデンマーク海軍に供与されました。これらの艦艇は、アメリカのNATO相互防衛援助協定に基づいて、アメリカからの資金で建造されました。オランダ海軍に供与された「リンクス」は、1961年に退役し、一時的に書類上でアメリカに返還された後、イタリア海軍に再度売却されました。

運用の歴史

アルバトロス級コルベットは、主に対潜哨戒と警戒・監視の任務に使用され、さらに士官候補生の訓練艦としても活用されました。イタリア海軍においては、1986年に1番艦アルバトロスが退役し、1992年には残る3隻も全て退役しました。一方でデンマーク海軍では、イタリア海軍より早く、1975年から1981年にかけて4隻すべてが退役しております。

準同型艦

1960年代に入ると、イタリア海軍は船楼を艦首側に伸ばした改良型のピエトロ・ディ・クリストファロ級を建造し、1964年・1965年に4隻が就役しました。さらにアンサルド社は、インドネシア海軍向けに発展型のパチムラ級（満載排水量1,200トン、全長82.4メートル）を2隻建造し、1958年に竣工しました。アメリカ海軍もこの艦級の建造権を取得し、軍事援助の一環として、パチムラ級に類似した設計のPF-103級を6隻建造し、イラン海軍とタイ王国海軍に引き渡しました。

アルバトロス級コルベットは、その性能と運用歴により、冷戦時代の海軍業務において重要な役割を果たしました。

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