アルバニア労働党

アルバニア労働党の歴史

アルバニア労働党（Partia e Punës e Shqipërisë）は、かつてアルバニア国内に一党独裁体制を敷いた共産主義政党で、特にエンヴェル・ホッジャがリーダーとして知られています。この党は1941年11月に設立され、戦後は長い間アルバニアの政治において中心的な役割を果たしました。実際、党の設立当初はアルバニアがファシスト・イタリアやナチス・ドイツの占領下にあった時期であり、その後のパルチザン活動を通じて1944年に国を解放しました。

設立から政権への移行

第二次世界大戦中、アルバニア共産党は敵占領軍に対抗するために設立された組織であり、ホッジャが書記長として指導しました。1944年にドイツ軍が敗れた後、党はアルバニア人民共和国を樹立し、ホッジャが実権を握ることになります。その後、1948年に党名を「アルバニア共産党」から「アルバニア労働党」へと変更しました。

外交政策と孤立化

戦後、アルバニア労働党は最初はソ連とユーゴスラビアと良好な関係を築いていましたが、ユーゴスラビアのチトー主義と対立し、関係が悪化しました。さらにスターリンの死後、ソ連の新指導者フルシチョフによるスターリン批判を受け、ホッジャはこれを非難しました。結果的に、アルバニアは中華人民共和国と連携することとなり、毛沢東主義を支持するようになりましたが、1978年に鄧小平が改革開放路線を採用すると中ソ関係も断絶し、国際的に孤立する結果となりました。

このようにして、アルバニアの政治はホッジャの意向に深く根ざした状態となり、国内での開発は停滞し、やがてアルバニアはヨーロッパの中でも最貧国の一つとなりました。また、ホッジャは他国の左派政党が採用するユーロコミュニズムやソ連からの距離を置く国々に対しても厳しい批判を続け、「世界唯一のマルクス・レーニン主義国家」としてのアイデンティティを確立しようとしました。

ホッジャの死後と政引き継ぎ

1985年、ホッジャが亡くなると、ラミズ・アリアがその後を引き継ぎました。アリアの時代もまた、旧来の政策が維持される時期でしたが、1989年から始まった東欧革命の影響を受け、アルバニアも1991年には一党独裁体制を放棄しました。この時、アルバニア労働党は名称を社会党に変更し、党の理念も社会民主主義へとシフトしました。

この変化に反発する少数派が再びアルバニア共産党を結成するなど、政局は混乱を極めました。改革派と保守派の間の対立が続く中で、アルバニア社会党は新たな政治体制の中でその存在感を示そうとしましたが、戦後の厳しい状況からの脱却は容易ではありませんでした。

結論

アルバニア労働党の歴史は、冷戦時代の共産主義国としての厳しい現実と、国際的な孤立を伴うものでした。ホッジャの指導の下、固有のイデオロギーを展開しながらも、最終的には民主化への道を歩む結果となりました。アルバニアの政治史を語る上でこの党の存在は欠かせないものであり、その影響は今なお語られ続けています。

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