アルバート・ウォール

アルバート・ウォール：英国プロレスのレジェンド

1935年生まれのアルバート・ウォール、愛称ロッキー・ウォールは、イギリス・サウスヨークシャー州ドンカスター出身のプロレスラーとして、英国マット界、そしてヨーロッパのプロレスシーンで長く活躍しました。ランカシャー・レスリングの流れを汲む彼は、卓越した技とカリスマ性で多くのファンを魅了し、英国プロレス史に名を残す存在となりました。

輝かしいキャリアの始まり

1957年にプロレスラーとしてのキャリアをスタートさせたウォールは、英国プロレス界を統括するジョイント・プロモーションズで活躍します。数々の強豪レスラーとの激戦を繰り広げ、1966年には、ビリー・ジョイスからブリティッシュ・ヘビー級王座を奪取。このタイトルは、彼のキャリアにおける最初の大きな成功となりました。

国際プロレスでの活躍

1968年、国際プロレスの招聘を受け、初来日を果たします。この時、彼の得意技である「人間ミサイル」ことフライング・ヘッドバットは、日本のプロレスファンに大きな衝撃を与えました。特に、若き日のラッシャー木村をこの技で圧倒したシーンは、今でも語り草となっています。翌1969年の再来日時には、ヨーロピアン・ヘビー級王座に挑戦するも、肩の負傷により途中帰国を余儀なくされました。

英国マット界の頂点へ

英国マット界では、ケンドー・ナガサキ、アル・ヘイズ、ハロルド坂田、シーン・リーガンといったそうそうたる顔ぶれと対戦。そして、当時ジャン・フェレとして知られていたアンドレ・ザ・ジャイアントともリングを共にしました。1970年には、スティーブ・ベイダーを破り、ビル・ロビンソンがアメリカ進出に伴い空位となっていたブリティッシュ・ヘビー級王座を再び獲得。その後も、英国マット界のヘビー級戦線をリードし続けました。1972年にはジョージ・ゴーディエンコを下し英連邦ヘビー級王座を、1974年にはホースト・ホフマンを破ってヨーロピアン・ヘビー級王座を獲得するなど、数々のタイトルを獲得し、英国プロレス界の頂点に君臨しました。

多様な対戦相手とタッグマッチ

ウォールは、英国のみならず、国際プロレスでの活躍を通して多くの外国人レスラーと対戦しました。国際プロレス来日時には、スタン・スタージャックやドリー・ディクソンといった北米のトップレスラーとタッグを組み、国際色豊かな試合を展開しました。しかし、ビル・ロビンソンなどとは違い、アメリカ本土への遠征はありませんでした。1975年からは独立団体への参戦を経て、1978年に引退。

得意技とタイトル

ウォールの得意技は、フライング・ヘッドバットです。これは、相手が立っている状態に、助走をつけてジャンプし、頭から突っ込むようにして放つダイビング式とは異なる技でした。他にダブルアーム・スープレックスやバックキックなども得意としていました。

獲得タイトル

ブリティッシュ・ヘビー級王座：3回
英連邦ヘビー級王座：1回
* ヨーロピアン・ヘビー級王座：1回

晩年と功績

2017年12月31日、永眠。ロッキー・ウォールは、その卓越したレスリングテクニックと、英国プロレス界への多大な貢献により、後世に語り継がれるレジェンドレスラーとなりました。彼のキャリアは、英国プロレス史における重要な一章を刻んでいます。

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