国際プロレス

国際プロレス（IWE）

国際プロレス（こくさいプロレス）は、1967年に設立された日本のプロレス団体であり、正式名称はインターナショナル・レスリング・エンタープライズ株式会社です。略称はIWE（アイ・ダブリュー・イー）です。

旗揚げと初期の活動

国際プロレスは1967年1月5日、大阪府立体育館において、アントニオ猪木の東京プロレスとの合同興行として旗揚げされました。テレビ局であるTBSと東京12チャンネル（現：テレビ東京）との間で定期放送が行われましたが、興行の収益は思わしくなく、1981年8月に活動を停止しました。この団体の設立において、団体名の由来についてはプロレス評論家の菊池孝が名付け親との説がありましたが、彼はこれを否定しており、他の関係者が考えた可能性も指摘されています。

事務所は東京都港区青山に置かれていましたが、1970年に渋谷へ移転し、その後1972年には新宿区高田馬場の原田ビルに移動しました。また、道場は最初は青山や渋谷の事務所と同じ場所にありましたが、1973年には埼玉県大宮市に移転しました。ここでは多くの革新的な試みが行われ、金網デスマッチやテーマ曲の採用、覆面レスラーの登場などが注目を集めました。

創業者のビジョン

創業者の吉原功社長は、早稲田大学レスリング部出身の元プロレスラーであり、日本プロレスの営業部長を務めた実績を持っています。しかし、日本プロレスの経営陣との対立があり、新団体を立ち上げることを決意しました。国際プロレスは、選手と出場契約を結び、フリーランスの報酬システムを導入し、アメリカ式のプロレス団体スタイルを模索しました。ここで、国際プロレスは日本プロレスとの協力を試みましたが、拒絶され、結局独自の選手を抱える従来のプロレス団体に転換することを余儀なくされました。

テレビ中継と興行戦争

国際プロレスは、1967年2月にTBSから定期放送の計画を受け入れられることとなりましたが、アントニオ猪木との契約がうまくいかず、興行戦争の中で日本プロレスに観客動員数で惨敗を喫しました。さまざまな外国人レスラーを招聘し、特にTWWAという組織と提携してアメリカのレスラーも数多く参加させましたが、経費がかさみ、次第に経営難に見舞われました。

金網デスマッチの導入

1970年の「'70ダイナマイト・シリーズ」で、日本初の金網デスマッチが行われました。実行の背景には、当時、日本プロレスに対抗するための集客方法として金網デスマッチが選ばれた経緯があります。この試合は多くのファンの注目を集めましたが、国際プロレスにおいても次第に金網デスマッチが多発し、マンネリ化していきました。

移動体育館の発表

国際プロレスは、経費の削減のために移動体育館を導入しました。これはサーカステントのようなもので、試合会場を簡単に設営できるというものでした。初めは好評でしたが、通気性の悪さや湿度の問題があり、使用の限界が訪れました。

解散とその後の影響

国際プロレスは1981年に活動を停止し、その後解散の運びとなりました。団体解散後の選手たちは、新日本プロレスや全日本プロレスに各々移籍したり、フリーとして活躍したりしました。団体の崩壊は日本のプロレス界において一つの終焉を意味し、様々な選手が新しい道を模索するきっかけとなったのです。

影響とLegacy

国際プロレスは、その後の日本プロレスに多くの影響を与えました。特に海外のレスラーの招聘や新しい試みを積極的に行ったことは、他団体においても見られるスタイルの先駆けとなりました。全日本プロレスや新日本プロレスの設立、成長に寄与した教訓が数多く含まれています。解散から数十年経った今でも、ファンの間でその名は語り継がれています。当時の試合やレスラーに対する評判は、今なお語り草となっており、プロレス界における国際プロレスの功績を伝えています。

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