ダブルアーム・スープレックス

ダブルアーム・スープレックス

ダブルアーム・スープレックスは、プロレスにおける代表的な投げ技の一つであり、別名バタフライ・スープレックス、または人間風車として知られています。

技の概要

この技は、相手をリバース・フルネルソンという形で捕らえ、後方へ反り投げることで相手にダメージを与えるものです。投げるスタイルによって、ヨーロピアンスタイルとアメリカンスタイルに大別されます。

ヨーロピアンスタイル

ヨーロピアンスタイルは、相手の上半身をリバース・フルネルソンで捕らえ、体を完全にブリッジする寸前に両腕のクラッチを解除し、後方へ投げます。この際、相手の軌跡が風車の回転のように見えることから、日本では「人間風車」と呼ばれることがあります。ホールドした状態を人間風車固めと呼びます。

アメリカンスタイル

アメリカンスタイルでは、リバース・フルネルソンで捕らえた相手をブリッジさせる際に、片方の腕のクラッチを切り、もう片方の腕は交差させたまま体を180度回転させて投げます。このスタイルは見栄えが良く、現在のプロレス界で主流となっています。

技の創始者

ダブルアーム・スープレックスの原型は、ギディオン・ギダが使用していたショルダー・スルーのような投げ技であると言われています。それをビル・ロビンソンが独自にアレンジして完成させました。ロビンソン自身は、ギダがオリンピックでもこの技を使用していたと証言しており、実戦でも有効な技であると述べています。

主な使用者

ヨーロピアンスタイル

ビル・ロビンソン
ワイルド・アンガス（ワイルド・スープレックスとして使用）
トニー・セント・クレアー（ブリティッシュ・スープレックスとして使用）
ダイナマイト・キッド
ジョニー・スミス
ローラン・ボック
デイビーボーイ・スミス
渕正信

アメリカンスタイル

ドリー・ファンク・ジュニア（テキサス・ブロンコ・スープレックスとして使用）
テリー・ファンク（テキサス・ブロンコ・スープレックスとして使用）
ボブ・バックランド
ハクソー・ヒギンズ
アントニオ猪木
藤原喜明
ジャンボ鶴田
初代タイガーマスク
前田日明（リバース・アームサルトとして使用）
西村修
安田忠夫
長与千種
* 鈴木秀樹

派生技

ダブルアーム・スープレックス・ホールド

別名、ダブルアーム・ホールド、バタフライ・スープレックス・ホールド、人間風車固め、風車固めなど。ヨーロピアンスタイルで投げた後、リバース・フルネルソンのクラッチを離さずにブリッジを維持し、そのままフォールを奪います。クラッチの位置を調整し、相手の両肩をマットにつける必要があります。

飛龍風車固め

藤波辰爾のオリジナル技で、ヨーロッパスタイルで投げた後にクラッチを解かず、ブリッジをした状態でギブアップを奪います。

羽折式風車固め

大仁田厚が全日本プロレス時代に使用していたオリジナル技。アメリカンスタイルで投げた後、相手を尻餅をつかせた状態でクラッチを解かずにブリッジを維持し、ギブアップを狙います。

ダブルアーム・スープレックスは、プロレスの歴史の中で数々の名勝負を彩ってきた技であり、その多様なバリエーションと使い手によって、今もなお多くのファンを魅了し続けています。

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