アルバート・エルンスト

アルバート・エルンストの生涯と戦歴

アルバート・エルンスト（Albert Ernst、1912年12月15日 - 1986年2月21日）は、ドイツの軍人であり、第二次世界大戦において数々の戦功を残した。彼の最終階級は大尉であり、多岐にわたる戦闘に従事した。

生い立ちと初期のキャリア

エルンストは、1912年にヴォルフスブルクで誕生した。彼の軍歴は1930年11月7日に始まり、当時のヴェルサイユ条約により兵力が制限されていたヴァイマル共和国の陸軍、すなわちレイヒスへアに入隊することから始まった。彼は第4自動車大隊第2中隊に配属され、その後、国防軍の試験を受けるためにハーベルシュタットの第12狙撃兵連隊に移る。試験に合格すると、エルンストは第2プロシア・オートバイ兵中隊を経た後、ライプツィヒの第24歩兵師団第24対戦車大隊に転属された。

この大隊に配属されながら、エルンストはライプツィヒの陸軍専門学校に通い、教官になるための勉強を行った。1939年夏に士官候補生としての任務を終えた。

第二次世界大戦への従軍

1939年9月、エルンストはポーランド侵攻に参加し、第24対戦車大隊の輜重部隊において特務曹長として従軍した。クトノでの戦闘ではその勇敢さが認められ、第二級鉄十字章を受章する。しかし、負傷によりボルナの第4予備大隊に配属され、その後新編成の第294歩兵師団に転属となった。1940年のフランス侵攻については、特に目立った活躍はなかった。

1941年4月16日、エルンストは上級曹長に昇進し、バルカン戦線に従軍。ユーゴの軍隊を相手に400名の捕虜を取る戦果を上げたことが評価され、ブルガリアから勲章を授与された。また、同年の「バルバロッサ作戦」でも活躍し、キエフ包囲戦や第一次ハリコフ攻防戦に参加。一級鉄十字章も受章するが、その後、重傷を負いドイツへ後送された。

傷が癒えた後、少尉に任官されたエルンストは、第519重戦車駆逐大隊に配属される。大隊は1943年の終わりに編成を完了し、第3装甲軍直轄となり、ロシアのヴィテブスク地区で戦闘に参加する。この戦闘においてエルンストは数多くの赤軍戦車を撃破し、1944年2月7日には騎士鉄十字章を受章。続いて、3月28日には中尉に昇進した。

その後、エルンストは東部戦線に転属し、新たな大隊の編成に努めたが、その際にも重傷を負ってしまう。ドイツへ帰還後、彼は金色負傷章を授与され、傷が癒えると西部戦線のバルジの戦いに参加した。この戦闘ではオットー・スコルツェニーSS中佐が指揮する第150戦車旅団に所属し、1945年1月7日にはドイツ陸軍栄誉章を受章した。

戦後と降伏

アルデンヌでの戦いの後、エルンストはドイツ軍の後退を余儀なくされ、特別命令で第512重駆逐大隊に転属される。彼は中隊長に指名され、3月10日にはレマーゲン鉄橋の戦いに参加。しかし、この攻撃は失敗に終わり、彼は後退するドイツ軍の殿を勤めた。この戦功により、大尉へ昇進する。その後、エルンストは小規模な戦闘団を編成し、様々な戦地を転戦したが、最後にはイゼルローンで防衛司令部の代表としてアメリカ第99歩兵師団に降伏することとなった。

アルバート・エルンストの生涯は、激動の戦争時代における軍人の苦悩や栄光を映し出している。彼の戦歴は当時のドイツ陸軍の一端を示し、多くの錬磨を経て生まれた功績として歴史に名を刻んでいる。

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