アルファジェット (航空機)

ダッソー/ドルニエ アルファジェット (Dassault/Dornier Alpha Jet)

ダッソー/ドルニエ アルファジェットは、フランスのダッソー社とドイツのドルニエ社が共同で設計・製造した、軽攻撃機および高等練習機です。1970年代から1992年までの間に約500機が生産され、世界中の数十カ国に採用されました。

背景

1960年代初頭、ヨーロッパの航空部隊はジェット訓練機の新世代モデルを採用する必要があると認識しました。特に、古くなったT-33 シューティングスターやフーガ・マジステールを置き換えるための新しい機体が求められました。このニーズに応じて、ダッソー/ドルニエ アルファジェットやBAEホークといった機体が開発されることとなります。

開発の経緯

フランスと西ドイツは新型の軽攻撃機と練習機の共同開発を始め、主にSEPECAT ジャギュアの経験を基に進められましたが、コストがかさみ、期待される性能を満たさない部分もありました。この結果、より経済的で効果的な機体の開発が求められ、1968年に新たに共同仕様書が作成されました。

3社から提案があり、最終的にダッソー社とドルニエ社のTA501案が採用され、1972年に開発が承認されました。1973年には初飛行を果たし、その後、試作機は先進技術の実証に用いられました。

配備と運用

フランス空軍は、1978年にアルファジェットを正式な練習機として採用しました。これは主に旧型のダッソーミステール IVAやT-33に替わるものでした。最終的には176機がフランス空軍に引き渡されました。

一方で、西ドイツ空軍は、主に軽攻撃機としてアルファジェットを運用し、1978年に最初の量産機が飛行しました。これにより、175機が1983年までに西ドイツ空軍にも配備されました。

設計の特徴

フランスとドイツの製造工場ではそれぞれ異なる組み立てや検査が行われていましたが、基本設計は共通していました。ただし、フランス製は練習機としての運用に重きを置いているため、一部の設計とアビオニクスに違いがあります。フランスの機体は丸みを帯びた機首が特徴的で、ドイツ製はシャープなデザインが採用されています。

海軍向けバージョン

1970年代後半には、アメリカ海軍が新しい艦上練習機を求め、アルファジェットの海軍型が提案されました。しかし、最終的にはBAEホークが選ばれる結果となりました。フランス海軍向けにも評価されたものの、コスト面から新型機導入は見送られました。

派生型

アルファジェットにはいくつかの派生型があり、戦術支援型のアルファジェット Aや練習機型のアルファジェット E、またエジプト向けの近接支援型まで多岐にわたり使用されました。

諸元

• - 乗員: 1-2名
• - 全長: 13.23 m
• - 翼幅: 9.11 m
• - 最大離陸重量: 8,000 kg
• - 動力: SNECMA/チュルボメカ ラルザック 04-C6 ターボファンエンジン

結論

アルファジェットはその性能と信頼性から、多くの空軍に長年にわたり愛用されてきました。今日でも中古機として利用され、航空訓練における選択肢として重要な位置を占めています。

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