アルファタウリ・AT02

アルファタウリAT02：2021年シーズンの軌跡

2021年のF1世界選手権で、スクーデリア・アルファタウリはAT02を駆り、激しい戦いを繰り広げました。 このマシンは、チームにとって大きな期待と可能性を秘めた1台でした。ドライバーラインナップは、経験豊富なピエール・ガスリーと、F2から昇格した期待の新星、角田裕毅という強力な組み合わせ。2014年の小林可夢偉以来となる日本人ドライバーのF1参戦は、日本のみならず世界中のモータースポーツファンを熱狂させました。

角田裕毅：ルーキーイヤーの衝撃

プレシーズンテストでは、角田裕毅がルーキーながらトップクラスのラップタイムを記録。その潜在能力の高さを証明し、開幕戦バーレーングランプリへの期待感を高めました。そして迎えたデビュー戦、13番グリッドからスタートした角田は、ベテランドライバーたちを次々とオーバーテイクする鮮やかな走りで9位入賞。鮮烈なF1デビューを飾りました。

シーズンを通して、角田は持ち前の速さと積極性を武器に幾度となく好走を見せました。しかし、若さゆえのミスも目立ち、スピンやクラッシュによるリタイアも経験しました。経験を積むにつれて着実に成長し、最終戦アブダビグランプリでは自己最高位となる4位を獲得。最終的に32ポイントを獲得し、ランキング14位という結果でルーキーシーズンを終えました。

ピエール・ガスリー：チームの牽引役

一方、ガスリーはチームのベテランとして安定した走りを見せました。開幕戦のリタイアというアクシデントもありましたが、その後は持ち前のドライビングスキルでポイントを獲得。モナコグランプリではハミルトンを抑え6位入賞、アゼルバイジャンGPでは表彰台を獲得するなど、幾度となくチームに貢献しました。ハンガリーグランプリではファステストラップを記録するなど、速さも兼ね備えていたことを証明しました。22戦中15戦入賞という安定感でチームを牽引し、132ポイントを獲得、ドライバーズランキング9位という結果に終わりました。

AT02のスペック

AT02は、スクーデリア・アルファタウリが開発したF1マシンです。レッドブル・テクノロジーとの技術提携による、高度な技術が凝縮されたマシンでした。主なスペックは以下の通りです。

シャシー名: AT02
モノコック: スクーデリア・アルファタウリ製コンポジットモノコック
トランスミッション: レッドブル・テクノロジー製 (カーボンコンポジット・メインケース、縦置き、油圧式8速)
サスペンション: 前後ともレッドブル・テクノロジー製とスクーデリア・アルファタウリ製の複合構造
ブレーキ: スクーデリア・アルファタウリ製
クラッチ: 油圧式カーボンマルチプレート
タイヤ: ピレリ
パワーユニット: ホンダ RA621H (90度V型6気筒ターボ、1600cc)
* 燃料: モービル1

チーム成績

2021年シーズン、スクーデリア・アルファタウリは、両ドライバーの活躍もあり、コンストラクターズランキングで6位を獲得。前年より順位を一つ上げ、チームとして着実な進歩を示しました。角田裕毅という新たな才能の台頭と、ガスリーの安定感という強力な組み合わせが、チームの躍進を支えたシーズンとなりました。AT02は、スクーデリア・アルファタウリの進化を象徴するマシンとして、F1の歴史に刻まれました。

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