アルファロメオ・ジュリアは、
イタリアを代表する自動車メーカー、
アルファロメオが製造・販売する自動車です。その歴史は長く、
1960年代に登場した初代モデルから、現在販売されている2代目モデルまで、幾多のバリエーションと進化を遂げてきました。本稿では、ジュリアの歴史、様々なモデル、そして日本における販売状況を詳細に解説します。
初代ジュリアは、1950年代に成功を収めたジュリエッタの後継車として
1962年に登場しました。4ドア
セダンのベルリーナを皮切りに、2ドア
クーペのスプリントGT、そしてスパイダーと、多彩なボディタイプがラインナップされました。
ベルリーナ:先進技術と伝統の融合
最初のベルリーナモデルである「TI」は、1570ccの
DOHCエンジンを搭載し、最高出力92馬力を発揮しました。当時としては最先端技術である5速マニュアルギアボックスや
風洞実験による空力設計を採用する一方、コラムシフトや大径ステアリングホイールなど、伝統的な要素も残していました。その後、1600ccの基本モデルや、レーシングモデルをベースにした高性能版「TIスーパー」などが登場し、多様なニーズに対応するモデル展開がされました。廉価版の1300や、扱いやすさと高性能を両立させた「スーパー」など、様々なバリエーションが追加され、高い人気を博しました。
1970年代にはマイナーチェンジを経て最終型が発売されますが、
1977年に生産終了。
スプリントGT:ジウジアーロデザインの傑作
1963年には、
ジョルジェット・ジウジアーロがデザインした2ドア
クーペ「ジュリア・スプリントGT」が登場しました。特徴的な段付きボンネットが人気を博し、今日でも高い評価を得ています。スプリントGTも、高性能版の「GTV」や廉価版の「GT1300ジュニア」など、様々なバリエーションが追加され、1750GTVへと進化していきました。
GTA:軽量化されたレーシングモデル
1965年には、スプリントGTをベースに軽量化を図ったレーシングモデル「ジュリア・スプリントGTA」が登場。
アルミニウムボディとチューニングされたエンジンにより、圧倒的なパフォーマンスを誇りました。ロードバージョンも少数生産されましたが、大半はレース用として改造され、
ヨーロッパツーリングカー選手権で4連覇を達成するなど、輝かしい戦績を残しました。
TZ/TZ2:純粋なレーシングスポーツカー
1963年に登場した「ジュリアTZ」は、鋼管チューブラーフレームと
アルミニウムボディを持つ本格的なレーシングスポーツカーでした。最高速度216km/hを誇るその性能は、空力デザインにも貢献していました。後継モデルである「TZ2」は、さらに軽量化とパワーアップが図られましたが、ミッドシップエンジン車の台頭によりレースでの活躍は限られました。
TZ3コルサ/ストラダーレ:現代によみがえった伝説
アルファロメオと
ザガートの90周年を記念して、2009年に「TZ3コルサ」が製作されました。レース出場を目的とした1台のみの生産でしたが、その美しいデザインは多くの賞賛を受けました。その後、ロードモデルの「TZ3ストラダーレ」も発表されました。
2代目ジュリア (2016年 - ):現代に蘇る後輪駆動セダン
2016年に登場した2代目ジュリアは、
マセラティと共同開発した新プラットフォーム「ジョルジオ」を採用。
アルファロメオにとって久々の
後輪駆動セダンとして、世界戦略車として発売されました。日本市場においては、2017年に発売開始されました。
多様なグレード展開と進化
日本市場では、「GIULIA」「GIULIA SUPER」「GIULIA VELOCE」「GIULIA QUADRIFOGLIO」の4つのグレードが設定され、その後、ディーゼルモデルや様々な特別仕様車も追加発売されました。また、安全装備の充実やグレード体系の変更、マイナーチェンジなど、継続的な改良が繰り返されてきました。近年では、限定車として様々な特別仕様車が発表され、
アルファロメオファンを魅了し続けています。
高性能モデル:GTA/GTAm
初代GTAへのオマージュとして、2021年には高性能モデル「ジュリアGTA」と「ジュリアGTAm」が限定生産されました。軽量化されたボディとパワフルなエンジンにより、高い走行性能を実現しています。
日本におけるジュリア
初代ジュリアは日本でも高い人気を誇り、多くの車両が輸入されました。現在でも、中古車市場を中心に多くのジュリアが流通しており、その人気は衰えていません。2代目ジュリアも、
アルファロメオの販売戦略の一環として、日本市場において重要な位置付けを占めています。
まとめ
アルファロメオ・ジュリアは、長い歴史の中で様々なモデルを生み出し、常に進化を続けてきました。スポーツ
セダンとしての伝統を受け継ぎながら、現代の技術を取り入れた2代目モデルも、高い人気を誇っています。今後も、
アルファロメオ・ジュリアのさらなる進化に期待しましょう。