アルファロメオ・ジュリエッタ

アルファロメオ・ジュリエッタ

ジュリエッタ（Giulietta）は、イタリアの自動車メーカー、アルファロメオが製造・販売していた魅力的な乗用車です。このモデルは1954年から2020年にかけて、3世代にわたり販売され、それぞれの世代で異なるデザインと技術を持つことで知られています。

1代目 750/101系（1954年 - 1965年）

初代ジュリエッタは、第二次世界大戦後にアルファロメオが市場に投入したモデルで、小型車の開発を目指しました。最初に登場したのは、「ジュリエッタ・スプリント」と呼ばれる2ドアクーペで、優れたデザインが評価されました。続いて1955年には、4ドアセダンの「ベルリーナ」と開放的な「スパイダー」がラインナップに加わりました。

このモデルは水冷直列4気筒エンジンを搭載し、当初は54 PSの出力でしたが、1959年頃の大規模な改良を経てパフォーマンス向上を遂げました。特に「Sprint Speciale」や「Sprint Zagato」などのスポーツバージョンでは、最大100 PSまでチューニングされました。ジュリエッタは当時の西ヨーロッパ市場でスポーティカーとして人気を博し、アルファロメオの確固たる経営基盤を築く重要な役割を果たしました。

2代目 116系（1977年 - 1985年）

1977年に登場した2代目ジュリエッタは、ジュリア系ベルリーナの後継モデルとして、現代的なデザインへと進化しました。ボディスタイルはウェッジシェイプが特徴で、軽快さを感じさせるデザインが施されています。このモデルは当初、1,357ccと1,600ccのエンジンを搭載しましたが、その後よりパワフルなエンジンが追加され、エンジン出力は最大172 PSに達しました。また、1982年にはターボ付きモデルも登場しますが、その生産台数はごく限られた361台でした。

1985年には、次世代モデル「アルファロメオ・75」へと世代交代し、ジュリエッタはその歴史に幕を下ろしました。

3代目 940系（2011年 - 2020年）

2011年に復活した3代目ジュリエッタは、147の後継モデルとして位置付けられ、デザインはフィアットグループのデザインディレクターが監修しました。全体的には洗練された印象のコンパクトカーで、最新鋭のテクノロジーを搭載しました。特に、新開発のプラットフォームを使用したサスペンションが搭載されており、運転性能を大幅に向上させています。

エンジンラインナップも豊富で、ガソリンエンジンはターボチャージャー付きのものが提供され、最高出力は235 PSにも及びます。さらに、ディーゼルエンジンも用意され、幅広いニーズに応えました。駆動方式は横置きFFで、トランスミッションには6速MTと6速デュアルクラッチ式が選べる設定になっています。

日本では2012年に販売が開始され、さまざまなグレード設定が用意されました。標準グレードの「スプリント」から、豪華な装備の「クアドリフォリオ・ヴェルデ」に至るまで、魅力的な選択肢が揃っていました。2020年をもってジュリエッタの生産は終了しましたが、その人気は今なお根強いものがあります。

結論

アルファロメオ・ジュリエッタは、各世代ごとに異なる魅力を持ち、スポーティなクルマを求める人々に愛されてきました。その歴史は68年という長いものであり、今後も多くの自動車ファンに語り継がれていくことでしょう。

もう一度検索