アルファロメオ・146

アルファロメオ146：イタリアンハッチバックの個性

アルファロメオ146は、1995年から2000年にかけて製造された、イタリアの自動車メーカー、アルファロメオが送り出した5ドアハッチバックです。同社の33の後継車種として登場し、後継モデルとなる147へとバトンタッチするまで、多くのファンを魅了しました。

フィアットとの繋がりとアルファロメオらしさ

146は、フィアット・ティーポと多くの部品を共有するプラットフォームを採用しています。コスト効率を高める戦略の一環といえるでしょう。しかし、アルファロメオは単なるOEM車に留まりませんでした。特に、3ボックスセダン風のトランク部分を強調したスタイリングや、Cピラー周辺の骨格構造などは、アルファロメオ独自の設計思想が反映されています。これは、フィアットとの協業の中で、アルファロメオ独自のブランドアイデンティティを保つための重要な工夫と言えるでしょう。ボディサイズは、全長4,257mm、全幅1,712mm、全高1,425mm、ホイールベース2,540mmと、コンパクトながら力強いシルエットが特徴です。

多様なパワートレインとスポーティな走り

エンジンラインナップは豊富で、1.3Lと1.6Lの水平対向4気筒SOHC、1.7Lの水平対向4気筒DOHCガソリンエンジンに加え、1.4L、1.6L、1.8L、2.0Lの直列4気筒DOHCガソリンエンジンも用意されました。特に、直列4気筒DOHCエンジンは、アルファロメオの技術を象徴する「ツインスパーク」システムを搭載。1気筒あたり2本の点火プラグを採用することで、燃焼効率の向上と高い出力特性を実現しています。ディーゼルエンジンとしては、1.9Lの直列4気筒ターボディーゼルエンジンが用意されていました。これらのエンジンは、全て前輪駆動（FF）方式で駆動力を路面に伝えます。

サスペンションは、前輪にマクファーソンストラット、後輪にセミトレーリングアームを採用。前後ともコイルスプリングによるバネ下重量の低減に配慮することで、スポーティな走りを実現しています。ハンドリング性能にも優れ、アルファロメオらしい運転の楽しさを提供しました。

アルファロメオのデザイン哲学

内外装のデザインは、アルファロメオ社内のデザインセンターであるチェントロスティーレが担当しました。アルファロメオのデザイン言語を巧みに織り交ぜ、洗練されたスタイリングに仕上げられています。イタリア車らしい美しいプロポーションと、スポーティな雰囲気は、多くのドライバーを魅了しました。

日本市場における状況

日本市場においては、アルファロメオ146は正規輸入されませんでした。そのため、日本国内で販売された車両は、全て並行輸入車となります。正規ディーラーによるメンテナンスを受けられないというデメリットはあるものの、個性的なデザインと高い走行性能を求めるユーザーにとっては魅力的な選択肢でした。

まとめ

アルファロメオ146は、フィアットとの技術提携によるコストメリットと、アルファロメオ独自の設計思想が見事に融合したモデルです。スポーティな走り、洗練されたデザイン、そして個性的な存在感は、今も多くのファンを魅了し続けています。正規輸入されなかった日本においても、並行輸入車として根強い人気を誇る、アルファロメオの歴史において重要な1ページを刻んだモデルと言えるでしょう。

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