アルファロメオ・1750/2000

アルファロメオ・1750/2000

アルファロメオ・1750および2000は、1967年から1977年にかけて製造されたイタリアの自動車メーカー、アルファロメオの名車です。このシリーズは、特にそのスタイリッシュなデザインと卓越した性能で知られています。

1750シリーズの概要

1750シリーズは、ベルリーナ（4ドアセダン）、GTV（2ドアクーペ）、スパイダー（2ドアオープンカー）の3つのモデルで登場しました。モデル名の「1750」は、排気量1,779ccのエンジンに由来しています。ただし、アルファロメオがこの名称を選んだのは、1930年代の名車「6C1750」にちなんだものです。

当時生産中止となった大型車「2600」の後を受けて、新たに供給された1750は、アルファロメオのフラッグシップモデルとしての地位を確立しました。設計は1970年代中頃まで生産されたジュリアシリーズや同様で、特にベルリーナモデルではホイールベースが2,350mmに延長され、新しいデザインとともに販売されました。これは全長4,390mm、全幅1,565mmを誇る大柄なボディですが、多くの部品はジュリアと共通していました。

エンジンと性能

1750のエンジンは、ジュリア1600のエンジンをベースにしています。このエンジンはストロークを82mmから88.5mmに延長し、DOHCツインキャブレターを装備し、ベルリーナで118馬力、スパイダーおよびGTVでは122馬力を出力しました。加速や低速走行の性能が向上し、高速走行もスムーズに行えるようになりました。

1970年のマイナーチェンジでは、系列2として更新され、ブレーキが二系等式となり、ペダルが吊り下げ式へと改良されました。また、GTVはバンパーのデザインが変更されるなど、細かな改修が施されています。1971年にはZF製の3速オートマティックが登場しましたが、このモデルは性能や燃費面での問題から、生産台数は非常に限られました。

1740シリーズは1972年に生産を終了し、累計約10万台のベルリーナと44,269台のGTVが製造されました。

2000シリーズ

1971年に導入された2000シリーズは、1750のエンジンのボアとストロークを増やし、排気量を1,962ccに引き上げることで最高出力を132馬力に向上させました。これにより、ベルリーナは最高速度200km/h、0-100km/h加速9秒を達成しました。2000シリーズでもギアボックスが5速マニュアルの標準で、ベルリーナには引き続きZF製の3速オートマチックが選択可能でした。

ラリー競技における活躍

アルファロメオの1750および2000シリーズは、ラリー競技にも利用されました。特に1750GTVは、FIAの国際ラリーシリーズであるWRCに参戦し、モンテカルロやツール・ド・コルスでの成績を残しました。1976年には、ベルナール・ベガンが2000GTVでクラス優勝するなど、競技の場でもその薫りを放っていました。

日本市場への展開

日本では、1970年代に伊藤忠オートによって多くの1750および2000モデルが輸入されました。大半が右ハンドル仕様で、日本の交通事情に配慮した設計がなされていました。この当時、ライバルとしてBMWが存在しましたが、販売面ではアルファロメオが優勢を持っていました。しかし、1970年代半ばには品質問題が浮上し、アルファロメオの印象は徐々に低下していくこととなります。

まとめ

アルファロメオ・1750/2000は、デザイン、性能、ラリー競技での成績など多方面にわたって評価される名車です。特にその魅力的なスタイルと運転の楽しさは、多くのクラシックカー愛好者に支持されています。

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