アルフォンス・クーザン

ジュール＝アルフォンス・クーザン（Jules-Alphonse Cousin、1842年4月21日 - 1911年9月18日）は、19世紀後半の日本でカトリック教会の発展に大きく貢献したフランス人司祭です。パリ外国宣教会に所属し、カトリック大阪教会の設立に深く関わった後、司教として阪神・九州地方における司牧活動、日本人司祭の養成、そして数々の聖堂建築に尽力しました。

生涯

1842年、フランス北西部のサン＝ブリューで誕生。1864年4月27日にパリ外国宣教会に入会し、翌1865年12月23日に司祭に叙階されました。1866年5月7日、フューレ神父と共に長崎に到着し、日本での宣教活動を開始します。

1867年2月5日、プティジャン司教の指示により五島列島へ派遣されますが、同年7月15日に迫害が始まりました。翌1868年7月28日、クーザンは司祭館で養成していた10人の小神学生と共に長崎を脱出し、3日3晩かけて上海へと逃れました。その後、香港、シンガポールを経て、マレー半島西海岸のペナン神学校に彼らを入学させています。

1869年、クーザンは再び長崎に戻り、大阪の川口に土地を確保し、仮聖堂の建設に着手しました。1879年には、富島（川口）天主堂を建立。これは現在の大阪カテドラル聖マリア大聖堂へと繋がる重要な礎となりました。

1885年1月26日、日本南緯地区の代牧に任命され、同年9月21日に大阪で司教に叙階されました。1887年、中緯地区が新設されると、九州と沖縄の司牧を担当。1891年1月15日からは長崎司教を務め、その職務に生涯を捧げました。1911年9月18日、長崎にて帰天。

クーザンの功績

クーザンの日本におけるカトリック教会への貢献は多岐にわたります。

カトリック大阪教会の設立: 大阪におけるカトリック教会の基礎を築き、信徒の拠り所となる聖堂を建設しました。
司牧活動: 阪神・九州地区において、信徒の指導や教会の運営に尽力しました。
邦人司祭の養成: 日本人司祭の育成に力を注ぎ、日本の教会を担う人材を育てました。
聖堂建築: 大阪カテドラル聖マリア大聖堂をはじめ、各地で聖堂の建設に携わり、信仰の場を提供しました。

クーザンの生涯は、日本のカトリック教会の発展に大きく貢献した宣教師の模範として、今も語り継がれています。

関連事項

日本におけるカトリック教会
旧川口居留地
* ルイ・テオドル・フューレ

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